「本」とはいってもこれには電子書籍もオーディオブックも含まれているが、スウェーデンでの書籍全般の売上は、これまでの統計で最高だった2021年よりは2.4%減少したが、それでも49億クローナ(約640億円)で史上2番目という結果になった。
インフレや紙不足、さらにはエネルギー価格の高騰の中で、紙の本の価格は少し上がっているので、売上冊数は減ったようだが、販売金額では伸びた。またコロナ禍の影響がなくなり、実店舗で本を買う人が増え、本屋での売上は5.5%増え、Eコマースで本を買う人や電子書籍、定額オーディオブックサービスなどの売上は少し減少した。そうはいっても、最大の販売チャネルはEコマースで、ここで販売された書籍の売上が全体の45.3%を占める(本屋は21.8%、サブスクリプションサービスが28.8%)
昨年の傾向でめだったのは外国文学作品の好調さで、55万タイトルが販売された(すごい数だが、スウェーデンでは英語やその他の外国語文学を翻訳なしに読む人が多いので、あり得る数字なのかもしれない)。背後には「Booktok」現象や、ウクライナの戦争などの激動する世界情勢の影響が考えられている。
2022年のベストセラー20作品のうち14作がサスペンス、犯罪小説ということで、よく名前を聞く人気作家の作品がずらりと並んでいる。
ノンフィクションで一番売れたのは、ニュースレターで取り上げたこちらの「大金持ちのパラダイススウェーデン」の本。確かにこの本、示唆にとんでおりました。