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オロフ・パルメとジョン・ル・カレ

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2、3日前にルンドの本屋のベストセラーリスト1位にジョン・ル・カレの本が並べられているのを見て、「え、新作? いったい今何歳だっけ?」と思っていたら、その翌日にはル・カレが「オロフ・パルメ賞」を受賞したニュースが伝えられた。

「新作?」と私が驚いたのは、ジョン・ル・カレはかなりの高齢なことを知っていたからだ。彼は今、89歳だ。

馴染みにない人にはまったく馴染みがないだろう、この二人の偉大な人たち。

ル・カレはイギリス人の小説家で、自身も元諜報員でスパイ小説の名手。私は最高におもしろかった映画『裏切りのサーカス(ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ)』の原作者として彼の名を知った。最近では、ル・カレの原作を2016年にテレビドラマ化した『ナイト・マネージャー』も夢中になって観た。

一方、パルメは今のスウェーデンをスウェーデンたらしめた政策を1970年代から80年代にかけて次々に行った元スウェーデン首相で、在職中に暗殺されたがその事件はまだ解明されていない。

そしてオロフ・パルメ賞は、パルメ暗殺事件を解決してくれそうな人に授与されるのではなく(そんな賞があってもいいのかもしれないが)、世界平和や人権問題、民主主義を守る行為で大きな貢献をした人に対して授与される。昨年は、このブログでも以前取り上げたダニエル・エルズバーグ が受賞している。

ル・カレは受賞の知らせに最初は驚いたそうだが「パルメの精神を分かち合い、個人の自由や人間にとって大切な問題に対して文学という形で貢献をした」と理解して賞を受けることにしたそうだ。

パルメの死後、彼の偉業を記念して遺族が中心となって運営されているこの賞では受賞者に10万米ドルが授与されるが、ル・カレは全額を国境なき医師団に寄付することを既に明らかにしている。

ル・カレは1月30日にストックホルムで行われる授与式に出席する予定。受賞のスピーチで何を話すのかが今から楽しみだ。

2019年のオロフ・パルメ賞は作家のジョン・ル・カレへ

ジョン・ル・カレが「民主主義へ貢献」で10万米ドルの賞を受賞(ガーディアン)