swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

エンタメ・文化・スポーツ

ルーベン・オストルンドが語る「映画館で映画を見る」ということ

『逆転のトライアングル』で米アカデミー賞の主要3賞(作品賞、監督賞、脚本賞)にノミネートされているルーベン・オストルンド監督は、映画館で映画を見ることの重要性を強調する。 開催中のヨーテボリ映画祭で「映画を見る観客に映画の見方を指導する」と…

沖縄とラップランド

遠い沖縄とラップランドをつなぐのは、その土地を権力に蹂躙されてきた歴史だろう。昨日発表されたスウェーデンのアカデミー賞であるグルドバッゲで、ラップランドのサーミの戦いの歴史を刺繍作家の目から捉えた映画が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。…

『ノースマン』にみる、スウェーデンと日本の映画宣伝の大きな違い

スウェーデンでは昨年春に公開された映画『ノースマン 導かれし復讐者』が昨日から日本でも劇場公開されている。私が見たのはウクライナでの戦争が始まったショックが毎日を暗くしていた時期だったこともあり(それは未だにそうかもしれないが)、この映画の…

いま「北欧映画」が面白い! 作品に潜むジェンダーやマイノリティの問題とは 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.16】

謹賀新年。みなさん、こんにちは。2023年もよろしくお願いいたします。 2週間お休みをいただいていた上、書き始めようとしたタイミングで、見事に風邪をひいてしまい久しぶりの投稿になってしまいました。風邪の方は、今はもう大丈夫ですが、いやー、久しぶ…

ギャング団と犯罪小説 swelog weekend 88

今週はこちらのレターをお送りしました。 swelog.theletter.jp ****** 昨夜、生中継されていたノーベル賞の晩餐会、私はちらっと見た時にちょうどスヴァンテ・ペーボさんのインタビューをやっていて、あらためて、この人すてきな人だなぁ、と話を聞いている…

AI演劇

『ベッドサイドテーブル(Nattygsbordet)』と名付けられた人工知能によって書かれた演劇がスウェーデンを巡回中だ。劇団Revetによる、おそらくは世界初のこのAI演劇は、800万件のウェブサイトの内容を読み込んだコンピューターが、そこから人々が使う表現方…

国立美術・博物館の入場料無料が終わるなんて……

昨日は突然廃止された電気自動車購入の際の補助金の話だったが、今日はスウェーデンの国立美術・博物館の入場無料措置が廃止される決定について。右派連合による新政府は、来年1月から国立のミュージアムへの大人入場料を徴収することを決めた。 スウェーデ…

仮想世界の限界・ゲームの中のイケア

28歳のジェイコブ・ショーが一人で作った「The Store is closed」は、閉店後の大型家具店を舞台とし、店員の妨害と闘いながら、迷路のような店内から逃げ出すというサバイバルホラーゲームだ。 当初ジェイコブはフルタイムでこのゲーム制作ができるとは考え…

国民的文化作品リストは必要か? swelog weekend 82

新任のパリサ・リリエストランド文化大臣が土曜日のダーゲンス・ニュヘテルの一面に登場 今週のレターはこちら。 右派連合による新政権は、スウェーデン文化を代表する作品を選んで発表したいと考えている。既にヨーロッパでは、国民的文学作品を選んでいる…

映画批評の現在

カンヌ映画祭で2度めのパルムドール賞を受賞したルーベン・エストルンドの「トライアングル・オブ・サッドネス」がこの間から上映されているのだが、第一線の映画批評家が、変わりつつある映画批評家の役割と批評家と映画プロデューサーの関係について書い…

インフレと電気料金の高騰で演劇界に広がる不安

元より補助金で運営されている国営、公営の劇場とは異なり、その収入のほとんどをチケット販売に頼っている民間の劇場は、この冬、パンデミック下でも経験しなかったレベルの危機に面している。客足がそろそそ戻るタイミングで起こったインフレで観客たちの…

スウェーデン歴代1位の映画はこれ! 映画ランキングと世相 swelog weekend 80

今週のニュースレターはこちら。 本年スウェーデンの映画人、映画評論家が選んだスウェーデン歴代映画の第1位は、10年前のランキングと同じく、今回もこの作品! この映画のスウェーデン映画史、そして世界の映画史の中での地位は不動だが、この映画はイン…

出版業界は不況を恐れない。非常時には本。

スウェーデンでは来年辺りから景気が後退すると考えられているが、書籍は不況の中でも売れ続けるだろうと、スウェーデン出版社連合組合の代表が話している。これまでの歴史を振り返ってみても、書籍は経済や社会の不確実性からの影響を受けることが少なかっ…

アニー・エルノーは「アクティビストに」

「今後は社会の不公平について書くだけではなく、論客として世の中を変えたい。声を上げていきたい」と、昨夜テレビの文学番組で語っていたのは今年のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー。 私は彼女の本は読んだことないが、これまでどんな作品を書い…

それでもそこまでやる表現の自由・今回はトルコの件で

NATO加盟の件で。トルコはフィンランドはOKだけどスウェーデンはダメだ、といったそうで、これ、私と同じように先週の金曜日のスウェーデン公共放送のニュース風刺お笑い番組を観ていた人はやっぱりな! と思ったはずだ。 その一週間に起きた出来事を鋭い(…

自由な発言を認めないオリンピック委員会

スウェーデンオリンピック委員会(SOC)のペーテル・レイネボー会長が、アテネで行われた欧州オリンピック委員会での不愉快な体験を語っている。会議の冒頭、レイネボーが、スウェーデンも他の北欧諸国も、ロシアとベラルーシからの代表が会議に参加すること…

ヨハン・レンク、デヴィッド・ボウイを指導する

HBOの『チェルノブイリ』や、『ブレイキング・バッド』や『ウォーキング・デッド』でもいくつかのエピソードを監督しているヨハン・レンクがインタビュー番組に出演していて、デヴィット・ボウイの「Black Star」が生まれた背景やまたボウイの最後のミュージ…

誰を優遇? スウェーデンの映画ロケ誘致補助金の中身

有名なところではニュージーランドやオーストラリア、日本でも東京都による海外公開作品のロケハン及びロケ撮影を行う事業者への助成金制度がなどが始まっている。 スウェーデンを舞台にしたスウェーデン映画なのに、ロケ費用がかさむためスウェーデンで撮影…

サブスク離れと、伸びる映画のレンタルと購入市場

伸びる一方だったビジネスに陰りがみえてきて、月額のサブスクリプション料金だけではなく広告付きの低価格プランの提供がささやかれているネットフリックスなどの動画配信企業だが、スウェーデンでは映画の単品レンタル・購入市場が伸びていることをダーゲ…

2022年のイケアミュージアム体験 swelog weekend 68

今週は先日出かけていったエルムフルトにあるイケアミュージアムについて書きました。ここで私が遭遇したまったく新しいミュージアム体験とは? 私たちは12時くらいに到着してすぐにランチしてから展示を周り、そのあとフィーカしてから帰りの電車に乗ったの…

Booktokで本を売る出版社のおじさん

去年、アメリカや英国など英語圏の国で書籍の売上新記録に貢献したTiktokで出現したBooktokというハッシュタグ。 「TikTok」で本を売りまくるティーン姉妹の正体 | The New York Times | 東洋経済オンライン (そして日本でも) 「TikTok売れ」で30年前の実験的S…

走り続ける人たち その2 バックヤードウルトラ

以前ともかく毎日走り続けるRunstreak(ランストリーク)な人たちのことを書いたことがあるが、今日の走り続ける人たちは距離を走り続ける人である。 swelog.miraioffice.com この土曜日にブレーキング地方のカールスハムンで開催されたのは「バックヤードウ…

イングマール・ベリマンの戦争映画 swelog weekend 67

イングマール・ベリマンが唯一社会問題を扱おうとした映画で、また戦争の恐ろしさを戦闘や爆撃のシーンでも表現した彼の作品の中でも異色の『(ベルイマン監督の)恥』が、ウクライナの戦争の影響か、ルンドの映画館で上映されていたので観てきた ということ…

犯罪者とミュージックアワード

スウェーデンのミュージックアワードの一つ音楽出版協会賞(Musikförläggarna)が、今後は「加害者や犯罪者」には賞を授与しないと発表したことで、議論がわき上がっている。 芸術と、その創造者は区別されるべきか、優れた芸術を生み出した人が罪を犯したり…

マイナーな楽器と公立音楽教室の民営化問題

9月の国選選挙を前に、さまざまな特集が組まれるようになってきたが、SVTが各政党により異なる文化政策で、各地方自治体にどのような変化が出てきているかを取材している。 取り上げる地方自治体は、中道右派の穏健党が最大政党で裕福な家庭の多いストックホ…

ホワイトノイズのポッドキャストで月240万円稼ぐ

ポッドキャストは相変わらず人気だが、人々はお話系ポッドキャストに疲れてきたのか、雨や風や森の音、もしくは虫の声のようにも聞こえるホワイトノイズを延々と流し続けるジャンルのポッドキャストを聴く人が増えている。 (ホワイトノイズについてはこちら…

ルーベン・オストルンドと2度めのカンヌ・パルムドール

カンヌ国際映画祭で2度めのパルムドールを受賞したけれど、映画評論家からその価値に値しないなどの声が上がっているルーベン・オストルンドは、その批判をどう受け止めているのか、いくつかのスウェーデンのメディアが取材していた。 現在生後8ヶ月の息子…

映画の著作権とロイヤリティは誰のもの?

アカデミー賞にノミネートされるほどの素晴らしい仕事をして、その後その映画がヒットしてテレビやストリーミングサービスで何度も上映されても、あなたの仕事がメイキャップアーティストならロイヤリティは1円も入ってこない。 2005年から2020年の間にスウ…

ポッドキャスト人気とそのコンテンツへの責任問題

スウェーデンではポッドキャストの人気は常に高かったが、最新のStatistaの調査によると、世界で最もポッドキャストを聴いているのがスウェーデン人。 世界では2年後には5億人が定期的にポッドキャストを聴くようになり、6年後には950億ドルの産業規模になる…

2022年春のルイジアナ美術館 swelog weekend 55

今週はルイジアナ美術館です! コロナ禍を北欧随一の美術館はどう乗り切った? イースター休暇だった先週末に我が家から一番近い外国、デンマークのルイジアナ美術館へ行ってきた。美術館はどうコロナ禍をしのぎ、なにがどう変わったのかと、この北欧2国間…

© Hiromi Blomberg 2022