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スウェーデンとデンマークの間の新トンネル建設構想

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えっ、コペンハーゲンとマルメの間にトンネルと一体化したエレスンド大橋がもうあるよねと思った方(私も)。今、話し合われている新しいトンネル(それも4本も)は、同じエレスンド海峡をもう少し北に上がった、スウェーデンのヘルシンボリとデンマークのヘンシンゴーの間で話が進んでいるものだ。構想は2024年の工事着工、2030年の完成を目指しており、両国の政府を中心として目下様々な調査が行われている。

ヘルシンキとヘルシンゴーの間の海峡は狭く、双方の海岸から向こう岸を見ることができる。両都市を20分ほどで結ぶ大型フェリーは、トラックなど重要な基幹物流システムのであると共に、スウェーデン人のデンマークへの酒の買い出しに貢献していたり😅、また観光名所としても魅力的な両都市を結ぶ大切な観光資源でもある。

電車用に2本、また少し場所を変えて車用のトンネルも一方向につき1本ずつの2本の合計4本のトンネル計画の総工事費や気候危機への影響も気になるが、やはり私がもっと気になるのはあののんびりとしたフェリーの行方だ。今考えられているのは、これまでのような大型フェリーは必要なくなるが、トンネルができても主に観光目的用に小型のフェリーは残るというもの。

しかし、そもそもこのトンネル、本当に必要? 同じようなことをエレスンド大橋ができる時もマルメの街に地下鉄ができる時も思っていたが、いざ新しいインフラができるとその利便性にすっかり馴染んでしまったのも私だ。今回の構想でも利便性、地域経済成長、雇用促進と、だれもが簡単には異論を唱えにくい未来への明るい言葉が並ぶ。

でも2021年の今、このようなこれまでの明るい言葉に簡単に同意してしまってはいけないはずだ。新しいトンネル計画に対しては、私はもうちょっと勉強して考えた方がいい(せっかくこの休みに『人新世の資本論』を読んだのだから!)

さらには気候危機への影響はいったん横においておくとしても、この構想通りに物事が進むと、私の大好きなヘルシンボリのカルバアドヒュース(寒冷浴場)Kallisのサウナの壁一面の大きな窓から、のんびりとこの2つの街、2つの国の間を行き来する大型フェリーの姿が望めなくなってしまう。うーん、これはいけない。私、トンネルいらないです!

海峡トンネルが完成すると伝統のフェリーが消える

© Hiromi Blomberg 2021