swelog 今日のスウェーデンのニュース

多様化社会、環境、移民、働き方などスウェーデンのちょっと違った「ほんまかいな!」なニュースから、毎日ひとつ選んで紹介しています

コロナの今、スウェーデンで暮らして思うこと swelog weekend

f:id:hiromi_blomberg:20200412194956j:plain

今日は noteでこれまでのコロナ関連のブログ記事を振り返ってみようと思いたち、さっきまでその内容をまとめていました。まとめてみると、この激動の世界で自分がどう変化と落ち合いをつけてなんとかやっていこうとしているのかを振り返るよい機会になりました。

このブログをいつも読んでくださっている方には、ほとんどのが既出の文章となるため、このすぐ後から始まる前文の後は一番最後にある本日の4月12日の箇所に飛んでいただければ幸いです。前文と今日4月12日の箇所だけでもけっこう長くなってしまい恐縮です……

昨日日本に住む姉と、高齢の母の食材の買物をどうサポートするかをLINEビデオで話していたら、義兄が横から「スウェーデンもついにロックダウンするみたいって今ニュースでやってるけど?」と教えてくれた。

「えっ? ついさっきスウェーデン首相のインタビューを聞いたところだけど、そんなこと言ってなかったよ」と説明したものの、なぜ日本でそんな報道がされているのかが不思議だった。検索してみたらどうやらForbesの「スウェーデン政府もロックダウン検討開始、死亡者急増で」と題された記事がその報道の元ネタらしい。

都市閉鎖や小中学校の休校も行っておらず、個人が責任を強く認識した上で自由な行動を取る裁量が残されているスウェーデンのコロナ対策への国際的な関心は高く、ここ二、三日はアメリカのトランプ大統領も記者会見でスウェーデンについて言及していた。ただしその内容は上記のForbesの記事と同様、視点がずれていて正確ではない(例えば、スウェーデンの公衆衛生庁は”集団免疫を獲得して新型コロナウイルスに対抗する”という考え方を採用していない)。

スウェーデンのやり方はたしかにとてもユニークで、そしておそらくスウェーデンという国以外ではうまく機能しないと思うが、どうせなら日本の人たちが、アメリカのメディアが書いた(だいたい合ってそうだけどちょっとずれてる)記事でスウェーデンに関する情報を受け取るよりも、この国で暮らす私が実感を交えて、今、ここで起こっていることを伝えればなにかの役に立つかもしれないと考えた。

先の姉とのLINEビデオの会話も、京都に住む母が昨日スーパーに買い物にいった時の様子をきいて、私がとても心配になったことがきっかけだ。スウェーデンでは他のヨーロッパ諸国のように外出は禁止されていないけれど、70歳以上の高齢者はスーパーへの買い物も含めた外出はやめて家に留まるようにように公衆衛生庁から要請がでているし、他の買い物客と距離(1.5メートル以上がよい)がとれないような混んだスーパーなら、私だって中に入らないだろう。

私の素人判断だがこれから日本でも感染はどんどん拡大するだろうし、死者も増える。その時にスウェーデンに住む私たちのように予め「感染は拡大するし、死者もたくさんでる。でもその状況をコントロールできる力を私たちは持っている」という心構えでいると、この異常な日常もなんとかしのいで暮らしていくことができることを伝えたい。

スウェーデン人はもともと政府への信頼が高いが、今回の一連の新型コロナウイルスの件でも国民の政府の対応への評価はこれまでは高く、また野党もその方針をずっと支持してきた。

政府は早い段階から「必要があればもっと強硬な手段をとることも考慮している」と伝えてきたし、公衆衛生庁も「死者数はどんどん拡大する」とこちらも早い段階から伝えてきたので、Forbesの記事のように「死亡者が急増したからロックダウンを検討開始した」というのは実状にあっていないように思うが、新型コロナウイルス対策を進める中でスウェーデンの今の国家危機対応策、医療や福祉の分野で体制の危うさが明らかになってきたのも事実だ。

コロナの危機的状況が収束するのはまだまだ先だろうが、そのあとでしっかりと取り組むべき国家行政の構造的問題がはっきりとしてきているのはむしろよいことだと思う。

以下は、私が毎日書いているスウェーデンのニュースウォッチブログswelogの記事から、政府と公衆衛生庁、並びにニュースメディアの対応に関連したものを時系列で記事から部分抜粋して拾ったものだ。これからの日本でどういうことが起こってきそうかなどの点で、なんらかのヒントになれば幸いだ。

また、この記事の終わりでは、スウェーデンに住む他の日本人の方が書いたよくまとまった現状報告・分析の記事も紹介している。その記事の中でも書かれており私の実感とも共通するのは、この国では誰が何をどう決定し、それを誰がどう評価するかの透明性がしっかりと守られていることへの安心感だ。

とりわけ、何度も何度も厳しい質問にさらされても、ありとあらゆる質問に答えることが自分たちの一番の仕事だと考えているような政治家と専門家の態度は、みていて時に感動する。そんな大きな責任を背負って行動し続けるプロたちが決断しても、対策がうまく機能しないこともある。でもあとから振り返った時にどこで何が間違っていたのかの検証はできる。これが国を強くしていくのだと信じたい。

では、以下、3月1日のブログ記事の抜粋からです。


3月1日 「コロナウイルス実況質問箱」

SVT(スウェーデン公共放送)が刻々とかわる状況を実行中継のようにまとめているのが、新型コロナウイルスに関するページだ。

世界中の報道機関が特集ページを設けていると思うが、SVTのこのサイトは最新状況を伝えるだけではなく、刻々変わっていく状況に対して視聴者が、つど疑問に思ったことを質問できる機能がある。質問に答えるのはSVTのモデレーターで、各専門機関などから情報を集め回答をアップする。

もちろんすべての人の質問に回答がつくわけではないが、質問を送ることは誰にでもできる。これはちょっとした機能だが、自分が信頼している機関、人に自分の心配事を送ることができるだけでも心配しすぎる気持ちは収まるのかもしれない。

3月11日 「コロナ特番でわかったこと」

昨夜8時から放送されたスウェーデンの公共放送SVTの新型コロナウイルスの特番は、自宅療養する感染患者の家からの生中継で始まった。

イタリアへのスキー旅行からの帰途で初期症状を自覚したシェルさんは、帰宅後すぐに医療機関窓口に連絡。それからは高熱やなどインフルエンザに似た症状に苦しんだものの自宅での療養を続け、今はおさまりつつあると話していた。

患者数が爆発的にではないが拡大し続けるスウェーデンで、今みんなが恐れるのは感染してしまうこと。感染してしまった後のことについては、初期に中国からのニュースで集中治療室で手当を受けている人の映像が流されていたの覚えているくらいで、私などはそれ以上あまり考えたことはなかった。

が、この番組で自宅療養する患者が自ら話す症状と回復の過程をきくことで、これまで見えていなかった「敵」の正体が少し見えたようで、私は少し不安な気持ちが消えた。

感染すると重篤な状態に陥りやすいことがわかっている高齢者を除いては、スウェーデンではほとんどの人は感染しても通常の風邪やインフルエンザにかかった時と同様に、自宅で症状が収まるまで療養することになる。

感染はこれからも拡大する見込みだし、高齢の感染者のためにも医療機関へは無駄な負荷をかけてはいけない。

3月15日 「パンデミック時代の働き方」

ヨーロッパ周辺諸国の「国ごと閉鎖」や商店営業禁止などの動きに比べると、行動の制限が比較的のんびりしていたスウェーデンでも、先週、公衆衛生庁が「スウェーデンで感染拡大のリスクはとても高い」と発表したあたりから、人々の行動が少し変化してきた。

ただし政府の令による制限ではなく、企業の自主判断によるものだ。

行政側からの要請としては今のところ学校閉鎖も起こっていないし、昨日外務省が国外への移動をやめるように勧告したのが目立つくらい。あと、病院や高齢者の集まる施設へ立ち入りの制限など細かい対応はいくつかあるが、私たちはまだ国内では自由に行動できる。500人以上集まる集会は制限されたが、映画館もまだ営業中だ。

一方企業側は、従業員が自宅からリモートワークで勤務する体制にどんどん切り替わっている。

3月16日 「新型コロナは長期戦へ」

朝早く起きてニュースサイトをチェックして、興味をひいたニュースをブログに書く。一年半くらい楽しくやってきたこの朝の習慣が最近ちょっとつらい。新型コロナウイルスの感染者数が一晩ですごく増えていたり、ここ2,3日は周辺国の国境が急に閉鎖されたり、スカンジナビア航空の1万人が急に一時解雇されたりちょっと劇的な動きが続いた。

昨日の夕方のステファン・ローベン首相の記者会見では、学校や国境の閉鎖などのドラマティックな対応策は発表されず、これまで通り、手洗いの徹底、体調の悪い人の自宅療養、高齢者施設や病院への立ち入りを控えることなどが繰り返された。

話の中でこれまでとは違ったトーンであったのは「全員でこの最低限のルールを守り、助け合っていくことの重要性」の強調と「これから数ヶ月はこの状況が続くであろう」との見解が話されたことだろう。

3月17日 「3兆円緊急経済支援のインパクト」

昨日は、また、公衆衛生庁が70歳以上の高齢者はスーパーでの買い物なども含め、外出を控えること、またストックホルム圏では可能な人はすべて在宅勤務するように要請が出た日となったが、これを反映してか、数多くの小規模のイベントの休止のお知らせが私にも届き始めた。

この先、社会の経済活動がどれだけ収縮して、3兆円もの額のお金がどのくらいの期間「もつ」ものなのか見当もつかないけれど、まずは今日も手洗いに注意し、体を動かし健康的に過ごすことに注力することにします。

3月18日 「国家主席疫学官と誰を信頼するか問題」

ここ数日、国家主席疫学官(Statsepidemiolog)という肩書をもつアンデシュ・テグネルの顔ばかりみて過ごしている。今では彼に「ミスター・コロナ」というアダ名もついた。

先週の早い段階でロベーン首相が「スウェーデン政府は専門家の判断を最重要視する」との方針を打ち出してからは、このミスター・コロナの打ち出す勧告や要請が私達の行動を決めていくことになった。

感染の広がりを抑えるためにスウェーデンの取るやり方は、近隣北欧諸国の政治家が取る思い切った力強いメッセージ性をもった政治的判断とは異なり、個々人が責任を自覚して行動することを促す、ちょっと大人な要求だ。

EUの決定でスウェーデンもようやく明日から入国を禁じるようだが、それまではいくら隣国デンマークが学校を閉鎖したり、鎖国状態にはいったりしても、ミスター・コロナは「そのような政治決定に、スウェーデンでの感染の広がりのコントロールという点からは、現時点では意味はない」と繰り返し説明する。

私たちはこんな専門的な領域で正しい判断をする力はない。だから誰かその力をもつ人の判断を信じるか信じないかの判断を行うことしかできないわけだが、私はどこかでアンデシュ・テグネルのいうことは信じるに値すると判断したようだ。

昨日、幸いにも少し時間ができたのか散髪してちょっとさっぱりしたテグネルの顔をみながら、これは結局は彼を信じるか信じないかの話ではなくて、彼を信じるか信じないかの判断を行う自分を信じるか信じないかの話だな、と感じた。危機的な状況に国家が試されているように、私も試されている。今日も自分の判断を信頼して過ごすことにしよう。

3月20日 「警察の優先順位」

昨日の記事で、増え続ける感染者と病欠で減り続ける医療従事者の話を書いたが、夜のニュースでは集中治療室で対応にあたっている看護師が出演して「(人も医療器具も足りないような状態では)誰を優先して対応するかを選ばないといけない」という話をしていた。

危機的状態を人的努力でなんとかすべてカバーしようとするのが一般的な日本人の行動だと思うが、この国にいると「(すべてには対応できないので)何を優先するか」問題を常に意識して暮らすことになる。

3月22日 「休日、そして「異常な日常」に備える」

夕方になってようやくニュースを見始めたが、昨日は政府からも公衆衛生庁からも特に大きな発表はなかったようだ。スウェーデンで取られている方針は、専門家と政治家がもちろん最善をつくそうとしているのだが、人類が初めて直面する状況の中、エビデンスもなく何が正しいのかわからない中の決断を行っている。

そして社会隔離をすれば経済的困窮者がでてしまうように、すべてをよい状態に持っていくことはできない。その中で微妙なバランスを保ちながら物事をすすめるのは本当に大変だろうなと思う。なにをどう決断しても、少なくない数の人から批判を受けるだろうことは発表前から明らかだから。

この後も、今日の午後や明日以降、新しい発表が続々されていくはずだ。直近では、基礎学校が閉鎖されても今の状況に絶対必要な仕事(医療、食料品、警察、エネルギーなど)に従事する人たちが働き続けるための新しい社会体制などが確立されることだろう。

今、私達は特別な時間の中にいて、そしてそれは結構長く続くようである。疲れたり、油断したりしないように。そして心身をいい状態で保てるように。今日の日曜日は「異常な日常」を生きていく心構えを整えることにしよう。

3月25日 「グレタの感染と、誰を信頼すればいいのか問題、再び」

昨日の夜のニュースであらためて公衆衛生庁の説明と、カロリンスカ研究所での重篤患者受入体制の責任者の話をきいて、ちょっとこれまでとはちがう深さで現状を理解したような気がした。

これからも感染は国中で広がる。高齢者や高リスク・グループの人が感染すれば重篤な状態に陥るし、人は死んでいく。できるのは感染の拡大を防ぐことではなく、拡大のスピードをコントロールすることだけだ。これまでも何度も同じことを、あの有名になったグラフを使って説明されていたのに、私は腹の底から理解できていなかったようだ。

「感染を防ぐ。全力をつくして国民を守る」と誰かがいってくれれば安心できるだろうが、スウェーデンの責任者たちはそんなことは言わない。代わりに感染拡大をコントロールできるかどうかは私たち一人ひとりがどう行動するかにかかっていると、言う。だから、この国でとてつもない不安に襲われている人は多いだろう。

スコーネ地方のローカルのニュースでは、SVTに寄せられている視聴者からの声として「SVTも国もでたらめばかり、失策ばかりで怒り心頭に達している」というものから「SVTもTV4もSNSとは違って、だれが何を話しているのがわかるニュースを届けてくれるので信頼できます」という声まで、さまざまな異なる意見を紹介していた。

感染拡大を遅らせるための行動を自分で判断してとっていくのは大変だ。私は昨日は夕方スーパーの前までいったけど、思ったより混んでいたので中には入らず買い物しないで帰ってきた。こんな小さな判断の積み重ねが功を奏することを祈るしかない。

3月27日 「ずっと続く正念場」

昨日の夜のニュースで司会者は公衆衛生庁の責任者のアンデシュ・テグネルに、今スウェーデンで誰もが気になっていることをグサリと質問した。

「(スウェーデンだけ社会的隔離も行わず、他の国とずいぶんやり方が違うが)これは正しいのか? 間違っていたらあなたはどう責任を取るのか?」

テグネルは「責任は(公衆衛生庁が出す方針を国の方針とするとした)政府にある」としながらも「(対策そのもの及ぼす効果については)予想した通りで物事が進んでいると確信している。他の国と違うからという点では心配してない」とはっきり答えた。

そして「今のところは想定内の展開だ。医療はなんとか持ちこたえている」と続けた。テグネルは自分と500人いる公衆衛生庁の同僚とで出した判断を信じている。

昨日はストックホルムでの一日の死者がこれまでにはなかったレベルの18人と、飛躍的に伸びたことで私も少し心配になった。でも、死者がこれからもどんどん増えていくのは想定ずみで、問題はどれだけ一時的な感染者爆発を起こさないで、なんとか持ちこたえることができる医療体制でやっていけるかどうかの一点にかかっている。

政府も公衆衛生庁も、集中治療室に運ばれてくる感染者数の推移を、刻一刻と息をつめて確認続けているはずだ。今が正念場で正念場は一時的なものではなく、これから夏頃までずっと続く。

3月29日 「スウェーデンはアホちゃうか?」

新型コロナウイルスへの対処が他国とはかなり異なるスウェーデンを、世界や近隣諸国のメディアがどう報道しているのかを、SVTがまとめていたので紹介します。

このブログはスウェーデンでは「ほんまかいな?」と耳を疑うことが時々起こるので、それを伝えたいと思って始めたものだけど、これを読む限り、今世界のメディアは「ほんまかいな?」は通り越えて「アホちゃうか?」段階まで突入してそうである。特に近隣諸国は怒っていそう……

こんなに周囲からヤイヤイ言われても(いや、ヤイヤイいっている人はもちろんスウェーデン内にもたくさんいるが)、私は自分が心配していないことに驚く。スウェーデン化が進みすぎたのか「アホちゃうか」と言われても私も気にならくなってきたようだ。

4月2日 「国民の半数が感染する日」

以前からこうなることは予想されていたとはいえ、スウェーデンで直近の24時間で確認された感染者数が500人を越え、59人の方が亡くなり、感染確認者数の合計が5000人近くになったと聞くと心がざわつく。数字の変化がこれまでとは明らかに違ってきている。

「近隣諸国と異なったやりかたをとっていることで、最終的にスウェーデンの人口あたりの死亡者数が高くなってしまったら、その責任はあなたがとるのか?」と昨日、インタビューで聞かれたロベーン首相は「そういった結論がでると考えるにはまだ時期尚早」と答えた後で、同時にこのような切迫した状況がしばらく続くと考えていることを述べて、これまで以上に深刻な状況に入ってきたことをわからせてくれた。
(中略)
ストックホルム大学の数学教授トム・ブリットンはこれまで私達もなんとなくわかっていたかもしれないが、あまり頭の中で具体的な像を結んでいなかったことをさらっといった。

「(これから感染テストをする人数を増やしていかなければはっきりした予測をすることはできないが)4月中には国民の半分が感染するものとみられ、そうなるとそれまでは増加して高レベルが続く予想である医療を必要とする感染者数も落ち着いてくるものと思われる」、と。

感染症がどのように広がっていくのかの数学的モデルの研究者であるブリットン教授はこの予想を、現時点でスウェーデンで既に50万人から100万人のひとが感染しているという妥当性のある数字に基づいて行っている。彼は、もっと固く見積もっても今スウェーデンで25万人から50万人は感染しているだろうと話していた。北欧の小国とはいえ、スウェーデンの人口の半分といえば500万人を超える。

新型コロナウイルスに対抗するワクチンがない今は、ちょっとしたことで感染が一気に爆発的に増えてしまうことが一番恐ろしいわけだが、なんとかコントロールできる状態を保ったまま、国民の半数まで感染が拡大していけば収束にむかっていくということなのだろう。

となると、今、社会隔離を行っているヨーロッパの各国はいったいいつまで国民を厳しい管理化においておかなければならないのだろうか? 夏になってもウイルスの勢力が衰えないならワクチンが開発されるまで? だとすると一旦は収束したような中国や韓国の状況が今どうなっているのかも改めて気になる。

4月3日 「無症状の感染者からも感染するのか問題を、新聞で読む」

昨日取り上げたニュース(国民の半数が感染する日)のように、既に驚くべきほどの多くの人が感染しているのなら、無症状・無自覚の感染者からも感染するのかどうかが気になる。

感染したり、させてしまったりしないために私たちは何をどう注意しなければいけないのかをダーゲンズ・ニュヘテルの医療記事専門記者が簡潔に適切にまとめてくれていたので、紹介します。

この情報が気になる人は、私のブログのようなあやしい個人ブログで満足されず、ぜひダーゲンズ・ニュヘテルの元記事とダーゲンズ・ニュヘテルの記事で引用されているWHOなどの信頼できる情報発信機関のサイトに掲載されている記事をご参照ください。以下は私の覚書です。
(中略)
健康な状態であるなら「実は既に感染していて他の人に移してしまうのではないか?」と必要以上に気にすることはしなくてもよさそうだ。これまで通り、他の人とは距離をあけ、少しでも症状があるのなら家からでないことを徹底するとよい。

状況が刻一刻と変わっていく毎日の中で、テレビというメディアの持つ力を改めて感じているが、上のようなまとめ記事は新聞社ならではの仕事で、すばらしい。

4月5日 「危機を支える医療従事者と、彼らの危険の責任の所在」

今朝の新型コロナ関連ニュースのトップに「雇用主や政治家は訴えられる可能性がある」と大きく書かれていてちょっと驚いて、内容を読んだ。

記事中でインタビューに答えていたのは雇用環境関連法の専門家トミー・イーセスコッグで、今スウェーデンの医療従事者、最前線でウイルスと感染者に立ち向かってくれている医師や看護師がさらされている危険の責任の所在は誰にあるかを、はっきり法にそった形で説明していた。
(中略)
現場で働く医療従事者は「恐怖を感じながら働いている」と訴えるなど、身体面、精神面の双方の危険にさらされながら働いているわけだが、この責任の所在は雇用者側にあり、スウェーデンではその殆どが地方行政機関となる。また雇用環境法はもっと具体的に、劣悪な環境の中で働くという指示を出した直属の上司が、職業上の個人として責任を負うと定められていると、イーセスコッグさんは説明していた。

4月6日 「子供が願う「ヨハン(長官)、学校を休校にしないで!」

スウェーデンの公衆衛生庁長官であるヨハン・カールソンのもとには、最近子供たちからたくさんの手紙が届く。書いてあるのは「お願い、学校を閉鎖しないで!」。

スウェーデンは、新型コロナウイルス感染が拡大しているヨーロッパ諸国の中で、今も社会的ロックダウンを行わず、基礎学校と呼ばれる小中学校も休校にしていない国だ。

公衆衛生庁は、2014年にそれまでの感染予防機構、公衆衛生庁並びに社会庁の一部が統合されて新しい形となった行政機関で、感染予防のスペシャリストであるヨハン・カールソンの責任範囲も、感染病に軸足を起きつつも国民の健康や生活ををもっと大きな範囲で考えることころまで広がった。

「なぜ学校を休校にしないのか!」と、時に強い憤りも伴ってヨハン・カールソンや彼の部下である国家主席疫学官のアンデシュ・テグネルに繰り返し投げつけられる質問に、二人は「それではスウェーデンの社会が回らない」と答えてきた。

共働きが基本のスウェーデンで基礎学校を休みにすると両親のどちらかが仕事を休まねければならないが、とても多くの人(特に母親)が医療、福祉の領域で働いており、たちまち現場が回らなくなる。いつもは子供を預かってくれていたであろう高齢の祖父母たちは今は社会から隔絶されているべきで、今回は頼れない。スウェーデンではシングルマザーなど一人で子供を育てている人もとても多い。幸い今回の新型コロナウイルスは子供はもし感染していたとしてもほとんど症状はない。

カールソンはさらには「とても長い期間、学校という居場所がなくなることで精神的なよりどころをなくしてしまう子供たちがいる。それを考えた時、ぎりぎりの段階になるまで学校は閉鎖するべきではないと考えている」とダーゲンズ・ニュヘテルのインタビューで語っている。

4月12日 これまでの問題のまとめとイースター休暇の明ける時

さて、これをまとめている今日4月12日は、金曜日から始まったイースターの連休の3日目。こちらでは明日の月曜日も休みだが、火曜日には子供たちもまた学校に戻る。

昨日放送されたテレビの特別インタビューで、ロベーン首相はスウェーデンの国家危機への準備体制は完璧でなかったこと(例えば医療用品の備えなど)、また高齢者施設での感染拡大を阻止できなかったことを認めた。

だからといって、今私たちがひとりひとりが責任をもって取るべき行動はすぐには変わったりはしないのだが、連休があけるとまた様々な判断が下され実施されていくだろう。今は、昨日までのよい天気のせいでみんなの気が緩んだりしてはいないかどうかが気になる。

スウェーデンの公衆衛生庁は毎日14時にスウェーデンと世界の感染状況に関する記者会見を行っている。連休中の数字の変化は火曜日にはまだすべては反映されてはこないだろうが、大きな流れはわかるだろう。

統計数字にかけては、亡くなった人が新型コロナウイルスによるものかどうか、その死因統計の正確さにおいて世界の中でスウェーデンにまさる国はないそうだ。この国ではパーソナルナンバー制度と医療行政の運営方法により、病院以外の場所、自宅などで亡くなった人もほぼ正確にそして迅速に新型コロナウイルスによる死者として統計に反映される。

パンデミックが社会に与えた影響は決して直近の死者数だけでは評価されるべきではないというのが疫学の一般的な考え方だと思うが、人々の注目が死者の数に集まってしまうのも確か。そういった意味でもスウェーデンのコロナ対策はこれからも注目され続けるに違いない。

そしてその国で生きる私は、現実的に情報を集めて思慮深く判断し、勇気をもって自分がとる行動に今後の状況を変える力があることを信じて、これから先もできるだけ落ち着いて暮らしていこうと思う。

テグネル談「スウェーデンではなぜ死者の数が多いのか」

リンク・スウェーデンで暮らす日本人の現状報告・分析記事

我が道を行くスウェーデンのコロナウィルス対策  日常生活への影響は?
Expat by Courrier 吉田裕子さん
「日常をできるだけ維持する」スウェーデンのコロナ対策 「緩い制限」の背後にある国民の理性と民主主義
論座 山内正敏さん