swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

仕事・働き方

エル連載「助産師の給料を上げろ!」妊婦や新生児のために働く人たちの労働条件を理解していますか?

先週末、エル連載の最新記事が公開されました。こちらのリンクからどうぞ。 「助産師の給料を上げろ!」妊婦や新生児のために働く人たちの労働条件を理解していますか? 「妊婦のため、幸せな出産のため…」と、やりがいと自己犠牲の間で限界まで働いてきた助…

長い長いストライキの不確かな結末 テスラ

2023年10月27日に始まり、3ヶ月を超えて続くテスラでのストライキは1995年でのトイザらスでのストライキの期間を超えて過去80年で最も長期間続くストライキとなった。 しかし今週明るみでた統計で、ストライキは当初労働組合のIFメタルが想定していた形とは…

火曜日はオフィスが混み合う

産業組合連合の生産性委員会が主催したウェビナーで、米スタンフォード大学のニック・ブルーム教授は火曜日は一番オフィスが混み合う日であることを明かした。調査の多くはアメリカで行われたものだが、リモートワークに関する研究を20年以上続けてきたブル…

農業従事者のメンタルヘルス

スウェーデン農産庁は農家での事故を減らし、農業従事者の労働環境とメンタルヘルスを改善するというタスクを政府から受けているが、実際には農家の健康とメンタルヘルスに関する知識は不足している。今回スウェーデンの専業農家1万人を対象にデジタルアンケ…

多様性で組織は強くなる・軍隊と建設業界

「多様性が高まれば、組織はより強固なものになる」と関係者がコメントしている2つの記事を続けて目にした。ひとつは、徴兵される若者の間で外国にルーツを持つ若者の割合がかなり低く、その要因を分析しようとした記事。 SVTは2020年に兵役義務についた若…

北欧通信 134 スウェーデンの小さな村は、どのように"三方よし"の訪問介護サービスを提供しているか

今週のニュースレターはこちらの内容で配信しています。興味深い内容の記事をとりあげました♡ 高齢者介護サービス提供するコミューンは、どこも人手不足や採用の難しさに悩まされているが、人口2600人の小さな自治体で過疎地区でもあるスウェーデン北部のア…

AIによる知的労働者の解雇が始まった・ヨーテボリのゲーム会社で

ゴールドマン・サックスとマッキンゼーの分析によれば、知的労働者の仕事の約3分の1から3分の2は、この先AIに取って代わられる可能性があるという文章で始まる記事は、かつて溶接工や倉庫の作業員の仕事がロボットに取って代わられたよりも、このシフトはも…

「バナナ一本の価値もない」

事態は深刻である。スウェーデンの最良の部分が消えていく… 今日お伝えしたいのは、教育でも医療でも移民受け入れの話でもなく、職場でのコーヒーやフルーツの無料提供サービスの話なのだけれど。 今週メディアで大きく報じられていたのは、とある自治体でこ…

2024年はこんな感じ? 軍事産業、徴兵制度、そして極寒の中のストライキ

世の中の雰囲気なんて、短い期間にすっかり変わってしまうのだな、スウェーデンってこんな国だったっけ?と昨夜のニュースを見ていて思う。 昨日、国王や皇太子も同席し開催された「国民と国防」会議での取材では、野党の社会民主党党首のマルガレータ・アン…

北欧各国に広がるテスラへの同調ストライキ

クリスマスの休暇まで残すところ後一週間ほど。テスラでのストライキがどうなっているかというと、収まるどころか広がりそうだ。 スウェーデンの労働組合に同調する形で、デンマーク、フィンランド、ノルウェーの港湾関係者たちが加入する労働組合が、テスラ…

ビデオ会議の労働環境

ビデオ会議への出席は従来の会議に出席するよりもストレスフルなので、スウェーデンの労働環境庁は、雇用主にデジタル労働環境との付き合いかたの指針を作成するように要求している。よりストレスがたまる一因は「常に見られている」という感覚だ。 通勤時間…

ストライキの件で、テスラがスウェーデン国家を訴える

テスラでのストライキの件の続報。 swelog.theletter.jp 今週ニュースになったのは、テスラが、交通庁を訴えることで、ひいてはスウェーデン国家を訴えたことと、郵便事業を展開するポストノードも訴えた件。 テスラの整備工場で働く人たちが加入するIFメタ…

北欧通信 126 イーロン・マスクとスウェーデンの労働組合の戦い。テスラで長引くストライキ。クラーナも?

今朝配信した今週のニュースレターはこちら! 労働者と雇用主間で結ばれた労働協定により、スウェーデンの労使間では対立よりも対話が望まれ、ストライキもめったにないと、今週公開されたElleのコラムでも書いたばかりだが、なんと今、簡単には解決しそうに…

デモやストライキで社会は変わる? 立場の弱い人ほど団結すべき理由 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.26】

アマゾン労働組合創設者クリス・スモールズ。『Breaking Social(ブレーキング・ソーシャル)』より JANICE D'AVILA 今月のElleの連載はずばり、ストライキ!書いてて自分が元気づけられた。何事に対しても、絶望したり悲観的になったりしてしまいがちだけど…

週末だけ働いて給与はフルタイム分もらう

ラホルム・コミューンでホームヘルパーとして働くエマ・ズイテンさんは、毎週週末を挟む3日間だけ働いてフルタイムの給与を稼ぐ。彼女のシフトは金曜日から日曜日、もしくは土曜日から月曜日の毎週3日。通常フルタイムの仕事は週37時間勤務だが、彼女の場合…

セルフスキャニングはスーパーでの労働をこう変えた

スウェーデンのスーパーにハンドスキャナーを使ったセルフレジができてずいぶん経つ。スウェーデンではIcaが早くも2004年にパイロット店舗で導入したのが最初だが、最近はお店が提供するスキャナーではなく、スマホのアプリを使ってのスキャン方式も広がって…

週4日労働が広がっていく際のリスクとなるのは何か?

多くの場合週5日労働から週4日労働にしても出せる成果は落ちることなく、社員のウェルビーイングは高まると、いいとこだらけのような週4日労働にも、社会全体でみればネガティブな影響がでるだろうことをルンド大学の社会学の研究者が指摘している。週4…

「給与はそのままで週4日だけ働く」をやってみたら

「うまくいかないほうがおかしい」のである。 人気のサステナブルなリュックのメーカーSandqvistは、今年の2月のスポーツ休暇以降週休3日制になった。週に働くのは4日だけだが、給与は以前のまま。すばらしい。 CEOのカロリン・リンドさんは「実施までには…

猛暑の中の労働生産性から、新しい労働環境基準へ

一時は8月なのに手袋がほしい!と思うほど寒くなりかけていたけど、今週は25度前後の暑い日が続くよい天気。オフィスには短パン姿の男性がまだ大量にいる。 アメリカでの調査によれば、気候温暖化による生産性の低下は社会に多大な損失をもたらしており、暑…

40代50代でも大胆にキャリアチェンジ! スウェーデンのリスキリングとこれからの仕事 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.24】

Patrik Svedberg/imagebank.sweden.se やりたいことがわからない時は、やりたくないことを考えてみるといいかもしれない とうことで、今月のエルのラーゴム連載は「リスキリング」について。新しいスキルを身に着ける“リスキリング”で国から補助金をもらえる…

高度人材労働移民のためのファストトラック

国際的に競争力のある高度人材労働移民のために、政府は移民庁に新しく対応部門を設立する。この年末から、高度な能力人材への労働許可を専門に扱う部署ができ、人材が必要な企業のニーズを優先させる。申請許可は迅速に処理される予定で、高度人材だと認め…

ストックホルム通勤電車で野放し系ストライキ

ストライキはほとんどないと書いたばかりのスウェーデンで、電車のストライキが起こっている。ストックホルム中心部と郊外への通勤電車(SL)の運行を担うMTR社の運転者たちが、月曜日の朝から3日間のストライキを計画し、実際に今朝早くからいくつかの電車…

後々まで続く仕事上のストレスの影響。そして自己裁量権

ネガティブなストレスは健康上よくないことは広く理解されているが、この度ヨンショーピング大学でまとめられた職業環境医学に関する研究結果では、働いている間に受けたストレスの悪影響は、人生のずっと後まで残ることがわかった。この研究は40年以上に渡…

消防士が大量辞職もありうる、とデモを行う理由

スウェーデンにはストライキはほとんどないことを記事にしたけれど、労働条件に関するデモは時々見かける。少し前には助産師の労働条件に関する大規模抗議デモがあったし、先週くらいからデモを行っているのは消防士たちだ。これは現在の勤務シフト体系が、E…

北欧通信 103 スウェーデンではフランスのような年金改革反対デモやストライキがない理由

気 今日はイースターの4連休の3日目ですが、ルンドでは穏やかで暖かく、気持ちのいい晴天が続いています。昨日は駅前にある大きなマグノリアが開花していたし、うちのコロニに何本かある桜のうちの一本でも花が咲き始めたそうで(夫談)、やはり、春の訪れ…

(2年間で)7.4%の賃上げに労使合意

工業系の労働組合連合が雇用主側と記録的な7.4%の賃上げに合意した、とニュースで聞いて、インフレが背景にあるのだろうけど、でも7.4%はすごいな、私ももっと賃上げを要求するべきだったかな?と思ったが、よく聞くと7.4%は今後2年間の賃上げについて合…

小学生に医療や介護の仕事の魅力を伝える

ずいぶん前からわかっていたことなのだろうけど、こうして数字ではっきりみるとかなり衝撃的である。スウェーデンでは今9万1000人の福祉の分野で働く人が必要とされており、今後数年間の年金退職者を計算にいれるとと、その数は41万人になる。中でも足りない…

外国生まれでは貧困が7倍

スウェーデン統計庁の最新のまとめによると、スウェーデンで貧困状態にある外国生まれの人と国内生まれの人の格差は拡大しており、EUの中でも一番大きくなった。非常に低い収入で働く人が増えており、統計庁が「物質的・社会的貧困」と呼ぶ状態の人が30万人…

週4日労働についてスウェーデンの研究者はどう考えているか?

少し前のスペインでの研究や、今回は英国での大規模な研究結果が発表され、週に4日だけ働く形は、労働者の精神面でも生産性の面でもポジティブな影響が確認され注目を集めているが、スウェーデンの専門家はどう見ているか、そのインタビューが掲載されていた…

未来のAIは「サイコパスの世話になるようなもの」?

『スマホ脳』の著者アンデシュ・ハンセンが、未来の職業について話していた。急速に目覚ましい発展を遂げるAI技術は、これからの仕事を再定義し、私たちが考えている以上に大きな影響を与えるかもしれない。 スウェーデンのオレブロ大学と研究機関Ratioが行…

© Hiromi Blomberg 2023