swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

仕事・働き方

週4日労働が広がっていく際のリスクとなるのは何か?

多くの場合週5日労働から週4日労働にしても出せる成果は落ちることなく、社員のウェルビーイングは高まると、いいとこだらけのような週4日労働にも、社会全体でみればネガティブな影響がでるだろうことをルンド大学の社会学の研究者が指摘している。週4…

「給与はそのままで週4日だけ働く」をやってみたら

「うまくいかないほうがおかしい」のである。 人気のサステナブルなリュックのメーカーSandqvistは、今年の2月のスポーツ休暇以降週休3日制になった。週に働くのは4日だけだが、給与は以前のまま。すばらしい。 CEOのカロリン・リンドさんは「実施までには…

猛暑の中の労働生産性から、新しい労働環境基準へ

一時は8月なのに手袋がほしい!と思うほど寒くなりかけていたけど、今週は25度前後の暑い日が続くよい天気。オフィスには短パン姿の男性がまだ大量にいる。 アメリカでの調査によれば、気候温暖化による生産性の低下は社会に多大な損失をもたらしており、暑…

40代50代でも大胆にキャリアチェンジ! スウェーデンのリスキリングとこれからの仕事 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.24】

Patrik Svedberg/imagebank.sweden.se やりたいことがわからない時は、やりたくないことを考えてみるといいかもしれない とうことで、今月のエルのラーゴム連載は「リスキリング」について。新しいスキルを身に着ける“リスキリング”で国から補助金をもらえる…

高度人材労働移民のためのファストトラック

国際的に競争力のある高度人材労働移民のために、政府は移民庁に新しく対応部門を設立する。この年末から、高度な能力人材への労働許可を専門に扱う部署ができ、人材が必要な企業のニーズを優先させる。申請許可は迅速に処理される予定で、高度人材だと認め…

ストックホルム通勤電車で野放し系ストライキ

ストライキはほとんどないと書いたばかりのスウェーデンで、電車のストライキが起こっている。ストックホルム中心部と郊外への通勤電車(SL)の運行を担うMTR社の運転者たちが、月曜日の朝から3日間のストライキを計画し、実際に今朝早くからいくつかの電車…

後々まで続く仕事上のストレスの影響。そして自己裁量権

ネガティブなストレスは健康上よくないことは広く理解されているが、この度ヨンショーピング大学でまとめられた職業環境医学に関する研究結果では、働いている間に受けたストレスの悪影響は、人生のずっと後まで残ることがわかった。この研究は40年以上に渡…

消防士が大量辞職もありうる、とデモを行う理由

スウェーデンにはストライキはほとんどないことを記事にしたけれど、労働条件に関するデモは時々見かける。少し前には助産師の労働条件に関する大規模抗議デモがあったし、先週くらいからデモを行っているのは消防士たちだ。これは現在の勤務シフト体系が、E…

北欧通信 103 スウェーデンではフランスのような年金改革反対デモがない理由

今日はイースターの4連休の3日目ですが、ルンドでは穏やかで暖かく、気持ちのいい晴天が続いています。昨日は駅前にある大きなマグノリアが開花していたし、うちのコロニに何本かある桜のうちの一本でも花が咲き始めたそうで(夫談)、やはり、春の訪れは3…

(2年間で)7.4%の賃上げに労使合意

工業系の労働組合連合が雇用主側と記録的な7.4%の賃上げに合意した、とニュースで聞いて、インフレが背景にあるのだろうけど、でも7.4%はすごいな、私ももっと賃上げを要求するべきだったかな?と思ったが、よく聞くと7.4%は今後2年間の賃上げについて合…

小学生に医療や介護の仕事の魅力を伝える

ずいぶん前からわかっていたことなのだろうけど、こうして数字ではっきりみるとかなり衝撃的である。スウェーデンでは今9万1000人の福祉の分野で働く人が必要とされており、今後数年間の年金退職者を計算にいれるとと、その数は41万人になる。中でも足りない…

外国生まれでは貧困が7倍

スウェーデン統計庁の最新のまとめによると、スウェーデンで貧困状態にある外国生まれの人と国内生まれの人の格差は拡大しており、EUの中でも一番大きくなった。非常に低い収入で働く人が増えており、統計庁が「物質的・社会的貧困」と呼ぶ状態の人が30万人…

週4日労働についてスウェーデンの研究者はどう考えているか?

少し前のスペインでの研究や、今回は英国での大規模な研究結果が発表され、週に4日だけ働く形は、労働者の精神面でも生産性の面でもポジティブな影響が確認され注目を集めているが、スウェーデンの専門家はどう見ているか、そのインタビューが掲載されていた…

未来のAIは「サイコパスの世話になるようなもの」?

『スマホ脳』の著者アンデシュ・ハンセンが、未来の職業について話していた。急速に目覚ましい発展を遂げるAI技術は、これからの仕事を再定義し、私たちが考えている以上に大きな影響を与えるかもしれない。 スウェーデンのオレブロ大学と研究機関Ratioが行…

大金を使った最北部への職・移住プロジェクトの成果は?

人は、資本ほど、簡単に移動して、簡単に居場所を見つけることはできない。 お金儲けの可能性があれば、金融資本は世界のどこにでも自由に移動するが、そこに仕事の機会があるからといって人が移住するのはそれほど簡単なことではないし、そして移住する意思…

節電のためにリモートワークをやめた人たち

人材派遣のRandstad社が、18歳から67歳の1000人を対象に行なった調査によると、10人に1人は電気代を節約するためにリモートワークを避け会社で働くようにしていると回答した。同じ調査は、また、17%の人が通勤費用を節約するためにリモートワークを選んでい…

看護師になりたい学生には給与を払うその一方で……

若者は最初の仕事につくのが難しくなっていると言われているが、学生として勉強しながらも将来の雇用主から既に給与を得ている学生たちもいる。ニュースになっていたのは看護師になるための勉強をしている学生たちで、例えば取材に答えていたライナスさんは…

給料はそのままで週に30時間だけ働く

おぉ!待ってました!と興味津々で記事を読んだけど、どうやら私には関係のない話だった 今ヴェルムランド地方の2つの病院などで実験的に行われているのは、救急部署に勤務する看護師のフルタイム勤務を30時間まで減らすこと。今年の3月から始まったこのプ…

移民の求職活動でスウェーデン語能力がますます重要に

800人の雇用主に架空の求人票を評価してもらうという調査の結果、スウェーデンの労働市場では簡単な仕事であっても、スウェーデン語の知識がますます重要となってきていることがわかった。スウェーデン語ができなくてもつける仕事は今ではかなり少なくなって…

アシタノオフィス swelog weekend 81

コロナの感染状況が一番ひどい時には、オフィスに来るな、通勤するな!、といわれたスウェーデンのホワイトカラーの会社員たち。感染症による規制や行動推奨がなくなっている今、私たちはどんな形で働きたいと思っているのか? そして雇用者側の思惑は? H&M…

やめたい医師たち

スウェーデンの医師たちのための労働組合(Läkarförbundet)が、1万6000人近くの現職の医師会員から回答を得た労働環境調査によると、5人に1人は医師という職業を離れたいと考えていることが明らかになった。要因は厳しい職場環境で、多くの医師は強いスト…

コロナの後もリモートワーク

スウェーデンの雇用安心推進機構(Trygghetsrådet)がこのほど発表した調査結果によると、民間企業で働く人の約半数が、パンデミック後も、より柔軟にリモートで働ける環境を得ていることがわかった。 雇用安心推進機構は、スウェーデンの民間企業と労働組合…

これからの労働市場とその給与額 swelog weekend 71

今週は労働市場の概況とその職種別給与についてです。 スウェーデンでは国家統計庁も各業種別労働組合も、かなり細かい給与統計をとっているので、自分と同様の仕事をしている人がどれくらい稼いでいるかがわかって、これを会社側との給与交渉などに使うこと…

広がった男女間賃金格差

新しいトレンドの兆候か? パンデミックの影響による一時的なものか? その背景にある要因はもう少し時を経てみないとわからないが、スウェーデンでは2017年以降で初めて、男女間の賃金格差が拡大した。比較する期間をもっと長くして、より長期的な視点で見…

女性の職業選択と「女性初」問題 swelog weekend 62

今週はミュージアムの展示で知った「カメラマン」という職種に関するちょっとした驚きと、スウェーデン人「女性初」のソロコンサートをヨーテボリのアレーナで行ったアーティスト、Laleh(ラレー)に関して書いています! swelog.theletter.jp 先週訪れたミ…

映画の著作権とロイヤリティは誰のもの?

アカデミー賞にノミネートされるほどの素晴らしい仕事をして、その後その映画がヒットしてテレビやストリーミングサービスで何度も上映されても、あなたの仕事がメイキャップアーティストならロイヤリティは1円も入ってこない。 2005年から2020年の間にスウ…

スウェーデンの夏休みについてあなたが知らなかった7つのこと swelog weekend 58

今週のニュースレターではスウェーデン「有給休暇法」について書いています。 Elle Active! での連載「みんなと地球の”ラーゴム”なくらし」最新回では、スウェーデンのイノベーティブな働き方と「休み方」について書いたが、そろそろスウェーデンではみんな…

スウェーデンに学ぶ、イノベーティブな”休み方” | スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらしvol.8

今月はGW明けの今週、Elleの連載が更新されました。 働いてばかりいてもイノベーティブなアイデアは生まれないのでは、ということと、ヒエラルキーのない職場環境などについて書いています。 スウェーデンで初めて行った面接先の会社で、お茶だしてくれた社…

高齢者介護におけるスウェーデン語問題

ヨーテボリはスウェーデンの主要都市で初めて、高齢者介護で働く職員にスウェーデン語のテストを実施する方向を決めた。移民が多い介護職の職員の間でのスウェーデン語でレベルが十分ではなく、雇用の際の語学テストの必要性はこれまでも再三指摘されてきた…

教会のストライキ (そしてヴァルボリのどんちゃん騒ぎとかがり火)

昨日の金曜日の朝からスウェーデン教会の職員がストライキに入っている。今このストライキに参加しているのは、教会の管理人、火葬場の職員や清掃職員など全国で500人に及ぶ。 これらの職員の多くを会員として抱える労働組合Kommunalによると、過去にはスウ…

© Hiromi Blomberg 2023