swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

メディア・報道

テスラ批判したメディアに、Xでいやがらせ?

スウェーデン最大のニュースメディア、アフトンブラーデットが、最近テスラを批判する調査報道記事を出したが、その後Xで同紙がシェアした記事へのリンクをクリックすると「リンクは安全でない」との警告が出されるようになった。 記事は、マダガスカルの鉱…

大人のための子どもニュース

戦争、ギャング団による銃撃事件、テロの脅威、せまりくる気候変動危機に、インフレ。世界を覆いつくす暗く重いニュースを子どもたちにどう伝えるのか。 スウェーデンの人気の子どもニュース「Lilla aktuellt」は、子どもたちが世界や社会の出来事について疑…

北欧通信 129 インフルエンサー必殺監視人

今週はこちらのカミラさんのパワーあふれる監視活動に関して。人気あるインフルエンサーを批判すると、ファンたちからの攻撃もすごく、いつも(?)炎上してるみたいだけど、カミラの活動は続く。すごいです。 スウェーデンのインフルエンサーの倫理違反や違…

インタビューに応じない権力者が増えている

恐ろしいほどのジャーナリズムの危機である。スウェーデンでも取材の申込みに応じない権力者が増えている。スウェーデンの主要ニュースメディア5社の責任者が、今の状況を証言している。 権力者たちの今の戦術は、説明責任に応じないといけないのなら、メデ…

若者はSNSでシェアしない

最近発表されたいくつかの調査報告書によると、スウェーデンの子どもや若者の半数以上はSNSで自分のコンテンツを共有することはせず、また個人情報がオンライン上に出回ることを懸念している。高齢者ではそのようなトレンドは始まっていない。 国家メディア…

「紙の新聞の死」と、これからの地方ジャーナリズム

新聞出版事業者団体のヨハン・タウベルトCEOは、地方や田舎に「紙の新聞の死」がやってきたという。紙の形態の新聞は、大都市ではこれから先も残り続けるであろうが、地方や田舎で存続するのは難しい。紙の新聞への広告出稿は減り続け、インフレで紙や配送に…

伝えなければいけないニュースばかりなのに、ジャーナリストは減っていってしまうのだろうか

私は取り上げてはいないけど、ここ数日どんなことがスウェーデンのニュースのトップを飾っているかというと ウプサラで続く銃殺事件。昨夜はストックホルムの中心地で20代の男性が銃殺される ウクライナの戦況 16日(土)に予定されている国王の即位50年の祝…

そして、命を狙われようとも

スウェーデンの公共放送、SVTのCEOのハンナ・シェーネは54歳の女性だ。間もなくスウェーデンの民主主義とオープンネスを象徴するイベント、政治集会のアルメダーレンが始まる。開催地であるゴットランドのヴィスビューのあちこちで開催される様々な討論会、…

メディアの中の崩れた体型、シワのある顔

靴下を買おうと思ってすごく久しぶりにリンデックス(Lindex)に入り、下着コーナーも覗いてみたら、私のようなちょっと崩れた体型の人がモデルとなっているポスターが張ってあった。リンデックスはこちらの記事でも紹介したスウェーデンの大手衣料チェーン…

スウェーデンのニュースに登場するのは圧倒的に中年の白人男性

男女の人口比率は均等であるにも関わらず、スウェーデンの国内ニュースでは男性が3分の2を占め、またスポーツ関連のニュース以外では、白人以外の人はほとんどでてこない。 Mediekompaniet社は広告代理店と広告主の間で、表現と多様性に関する問題に取り組…

 増えた新聞系メディアの購読世帯数

今年もメディア視聴習慣に関する大規模調査メディア・バロメーター結果が発表された。これによるとスウェーデンでは今もメディア視聴とニュースの消費量が高いまま推移していることがわかった。 パンデミックの前は日に6時間程度であったメディア視聴時間は…

さらに悪化した世界の報道の自由

このブログでも何度か取り上げている「国境なき記者団」の世界の報道の自由インデックス。書くたびに状況は悪化しているように思うが、今年はジャーナリストが自由に情報を入手し、そして入手した情報を発表することを妨げられないという「グリーン(以前は…

私たちはなぜヘラジカスローテレビにひきつけられるのか

今朝取り上げるニュースとしては、「連続握手時間新記録!25時間!」もいいなと思ったのだけれど、いや、それよりも皆さまにお伝えしないといけないことが。 昨日から、今年のSVTの「ヘラジカスローテレビ」が始まっている。(下記のリンクから全世界で視聴…

元徴用工と日韓関連ニュースのスウェーデンでの取り上げられ方

誰がこのニュースを今朝のSVTのニュースサイトでトップ扱いにしようと決めたのかわからないけれど、ともかく、日本と韓国から遠く離れたスウェーデンの公共放送の今朝のウェブサイトでは、韓国最高裁が日本企業に命じた賠償金の支払いを日本企業には求めず、…

スパイ活動防止法で憲法改正

かねてより議論されていた、いわゆる「スパイ活動防止法」が、昨日スウェーデン国会で可決された。これは国外との関係に関わるスパイ活動を、報道の自由と表現の自由を侵害するものとして犯罪化するもの。報道と表現の自由を規定した法律はスウェーデンの憲…

それでもそこまでやる表現の自由・今回はトルコの件で

NATO加盟の件で。トルコはフィンランドはOKだけどスウェーデンはダメだ、といったそうで、これ、私と同じように先週の金曜日のスウェーデン公共放送のニュース風刺お笑い番組を観ていた人はやっぱりな! と思ったはずだ。 その一週間に起きた出来事を鋭い(…

届かないニュース、隠蔽される事実

スウェーデン・ラジオ(SR)のインターネットサイトがロシアでブロックされた状態が続いている。SRのサイトがロシアでブロックされるのは今回が始めてではなく、これまで折につけて起こっていた。SRはニュースをロシア語のテキストやポッドキャストで配信し…

新聞社業界団体が公共テレビをEUに訴えると脅す

スウェーデンの新聞社の業界団体が公共放送SVTを欧州委員会に訴えると脅している。 私が今まさに、この記事を書くために参照しているSVTニュースのサイトの各記事のテキストが長すぎて、競合する新聞社が打撃を受けており、これが改善されないのなら欧州委員…

専門的なニュースメディアにお金を払う傾向が高まる

スウェーデンのメディア接触習慣に関する統計「メディアバロメーター」の2021年の調査結果によると、スウェーデンでのニュースの消費量は増え、特に専門的なニュースメディアへの接触量が増えている。 フェイスブックなどのSNS経由でニュースを入手していた…

「子どもニュース」が情報信憑性賞を受賞

ロシアがウクライナへ侵攻を初めてすぐに、戦争についての子どもからの質問に答えるチャットを開設する取り組みについてこのブログでも紹介した、スウェーデン公共放送SVTの子ども向けニュース「Lilla Aktuallet」。 swelog.miraioffice.com 今日はその「Lil…

ロシアから報道特派員が戻る時

ロシアの数少ない独立系新聞社「ノバヤ・ガゼタ」の編集長ドミトリー・ムラトフさんがノーベル平和賞を受賞したのは、ついこの間の昨年12月。彼の新聞社のジャーナリストのうち6名もが殺害されたことからも明らかだが、これまでもロシアでは自由な報道は難…

独裁の国のメディア

『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』を読むと、スウェーデンでは小学生に独裁制とはなにか、また独裁制の国のメディアは管理検閲されていることを教えていることがわかるが、その典型的な実例が今、目の前で展開されている。 ロシアの検閲当局Rosk…

戦争と子どもたち

コロナ感染が広がってきた時に、デンマークで、またスウェーデンでも首相が子ども向け記者会見をして、子どもからの質問に直接答えていたのが印象的だったが、「ウクライナでの戦争(Kriget i Ukraina)」についても、公共放送のSVTが子どもたちが記者に直接…

2021年、SNS上のエンゲージメントが減ったその理由

2021年スウェーデンのSNSでニュースに対する「いいね」や「シェア」などの反応は、2020年に比べて劇的に減ったことをBreakitが伝えている。 2020年は多くのSNSで訪問者数が過去最高を記録するなど、スウェーデン人のSNS上のでのエンゲージメントは高かったが…

パンデミックとスウェーデンのニュースメディア・危機を好機に swelog weekend nr 35

swelog weekend nr 35 〈今週のトピック〉 パンデミックとスウェーデンのニュースメディア・危機を好機に〈今週のブログ記事〉 ワクチンパスポートとか言ってる場合じゃない?〈今週のスウェ推し〉 IKEAでお泊り swelog.theletter.jp 今週のswelog weekendは…

フェイクニュースはそんなに心配しない若者たち

若者は主にSNSからニュースを入手しているが、他の世代と比較するとフェイクニュースにそれほど心配していないと、スウェーデンインターネット評議会が年次レポートの中でまとめている。 評議会の担当者は「この結果が、学校で情報源の信頼性確認教育が浸透…

ABBAと本日のニュース模様

ABBAが40年ぶりに新曲を公開して活動を再開することは日本でも大きく報じられているし大きな新聞広告もでていたようなので、ここだけのニュースでもなんでもないのだけれど、ABBAについて私がお伝えできることがあるとしたら、スウェーデンでは昨日は早い段…

スウェーデンのメディアは気候危機問題を今、どう伝えているか

スウェーデンの主要ニュースメディアは、11月にグラスゴーで開催される国連気候サミット(COP26)に向けて、この秋の気候危機に関する報道体制を強化している。また気候に関する報道はよく読まれており、メディアの売上も伸ばしているとスウェーデンのジャー…

オリンピック放映権と公共放送

ほんの一週間ほど前までスウェーデンでは、公共放送のSVTがオリンピックの中継をしないだけではなく、ニュースで動画クリップを使うことができるかどうかも決まっていなかった。SVTは既に2014年からオリンピックの放映権は獲得していない。 スウェーデンで今…

世界のタレコミ、内部告発はスウェーデンの新聞へ!

「Leak to us(タレコミは私たちに)」。 スウェーデンの大手新聞ダーゲンズ・ニュヘテル(DN)が、世界中の内部告発者にタレコミをするなら、内部告発者の安全を守ることにも調査報道の専門力にも勝るうちの新聞にぜひ、と呼びかけている。 DNは業績が好調…

© Hiromi Blomberg 2023