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多様化社会、環境、移民、働き方などスウェーデンのちょっと違った「ほんまかいな!」なニュースから、毎日ひとつ選んで紹介しています

新聞とニュースサイト

(2018年12月14日投稿)

概況

スウェーデンでは伝統的に新聞は、政党や政治的な思想を背景としていた。現在も各紙は政治的信条を表明しているが以前と比べてその政治的色があいまいなものとなっている。

近年、異なる新聞の間で経営と編集機能の統合による効率化が進められており、またPC、スマホ、タブレットでのテキストと写真ベースのデジタル記事配信以外でも、多くの新聞が動画や音声でのニュースの提供を行っている。

日刊紙のデジタル版は長く無料であったが、現在ではほぼすべて有料。タブロイド紙は通常の記事は無料でプレミアム料金を払うことでさらなるコンテンツや特典を提供している形が多い。

主要日刊紙

ほぼ毎日発行される日刊紙は全国で68紙。週に数回発行のものを含めると165紙。*1

スウェーデンを代表する日刊紙は以下の通り。すべて朝刊のみ。

ダーゲンズ・ニュヘテルスヴェンスカ・ダーグブラーデットは首都ストックホルムを基盤とするが、全国で入手可能。デジタル版の普及でさらに全国で読まれる新聞としての傾向が強まった。

ヨーテボリス・ポストンはスウェーデン第2の都市であるヨーテボリ、スッドスヴェンスカンは同じく第3位のマルメ及びその近郊のルンドの読者が主で、ともに基盤地域では日刊紙として独占的な地位を占めている。 

以下の数字はデジタル版を合わせたもので、Orvesto Sifoによる2018年2の読者数調査から引用した(発行部数ではない)。

*2

地方紙

スウェーデンで読者のメインの新聞といえば地元の地方紙だった。現在では淘汰が進み、また各新聞のデジタル版へも容易にアクセスできることから、ストックホルム発の「全国紙」への集積も進んでいるようだ。

地方紙はウプサラやヘルシンボリといった街の5〜7万部の発行部数があるものから、小さな町の1500部発行のものまで幅広く浸透しており、現在、全国合計で推定200万部の地方紙が発行されている。

タブロイド紙

宅配契約ではなく店頭売りで、全盛期には毎日140万部のタブロイド紙が購入されていたが、1990年代以降部数を急激に落とした。2010年以降はデジタル版と独自制作ののビデオ配信で人気を取り戻しており、読者もデジタル版が圧倒的に多い。

スポーツやゴシップ記事が人気だが政治や社会的なスクープも多く、権威ある賞を取る優れたジャーナリストも数多く輩出している。ちなみにスウェーデンでは他の産業と同様、ジャーナリストや他のメディア関係者も企業間転職は多く、人材の流動性は高い。

読者数はGTクヴェルスポステンを含む。この3紙は内容は少し異なるが、それぞれストックホルム、ヨーテボリ、マルメで発行されている基本的に同じ新聞である。

アフトンブラーデットはネットにいち早く参入した。スウェーデンの人気サイトの常に上位にある。

 フリーペーパー

全国で300紙程度が発行されている。メトロを除くとそのほとんどが週に1度の発行で、地元密着の広告で成り立っている。

  • Metro     週6回、3大都市で発行。130万部発行。通勤途上で読む無料の新聞のビジネスモデルが、スマホにとって変わられ近年は読者と広告主離れで苦戦している。
  • DirektPress   
  • Lokaltidningen 
  • Hallå

主なニュースサイト、アプリ

  • Nyheter24 ミレニアム世代をターゲットとする2008年設立の独立系ニュースサイト。スウェーデン最大のブログサイトも運営している。
  • KIT  2015年設立。ボニエ資本の都会の若い世代に向けたデジタルニュースプラットフォーム。サイトとSNSで発信。主にネイティブアド(広告主のために書いた記事広告)を財源としていたが、ビジネスは今日に至るまで厳しい状態が続いている。またKITへの多くのトラフィックを発生させていたフェイスブックが方針を変えたことから、KITのリーチも急速に減った。記事形態はテキストの他、動画、動的プレゼンテーションなど様々で、このために自社開発したソフトウェアのライセンス販売も開始し、ネイティブアド専門のクリエイティブエージェンシーとしてのビジネスの継続を図っているようだ。

  • Omni  2013年にサービスを開始したシブステッド系列のニュースまとめアプリ。特定のトピックに関して、Omniのジャーナリストの短い記事に続いて様々な国内外のニュースサイトの記事をまとめてチェックできる。スマホ上の優れたニュースアプリとして多くの賞を受賞している。
  • The Local   英語で書かれたスウェーデンのニュースサイト。主に転勤滞在者や留学生やなどを対象として、月額の購読料ではなく会員制 として会費を払う形(月60クローナ、または年500クローナ)。主な時事ニュースと、スウェーデンで働き、勉強し、暮らすのに知っておきたい情報を提供する。スウェーデンの文化コラムも充実。例えばこんなコラムも。

参考・情報の価格(新聞の値段2018年12月12日現在)

ダーゲンス・ニュヘテル

  • 店頭買い         1部49クローナ(約610円)
  • ネット版へのアクセス   月 99クローナ(約1300円)
  • ネット版のアクセス+α   月179クローナ(約2200円)
  • ネット版と週3日宅配   月349クローナ(約4400円)
  • ネット版と宅配      月499クローナ(約6200円)

スヴェンスカ・ダーグブラーデット

  • 店頭買い         1部49クローナ(約610円)
  • ネット版へのアクセス   月 99クローナ(約1300円)
  • ネット版のアクセス+α   月185クローナ(約2300円)
  • ネット版と週3日宅配   月239クローナ(約3000円)
  • ネット版と宅配      月439クローナ(約5500円)

参考文献

  1. Weibull, Badbring, Ohlsson (2018), Det svenska medielandskapet: traditionella och sociala medier i samspel och konkurrents, Liber
  2. Björn Häger (2014), Reporter: en grundbok i journalistik, andra upplagan, Studentlitteratur
  3. Martin Schori (2016), Online Only: allt du behöver veta för att bli morgondagens journalist, Carlsson