多様性社会・差別・排斥
「多様性が高まれば、組織はより強固なものになる」と関係者がコメントしている2つの記事を続けて目にした。ひとつは、徴兵される若者の間で外国にルーツを持つ若者の割合がかなり低く、その要因を分析しようとした記事。 SVTは2020年に兵役義務についた若…
木曜日の夕方にスウェーデン民主党は、AIを使ってアラビア語に吹き替えられたジミー・オーケソン党首のスピーチをYouTubeで公開した。内容は数週間前にスウェーデン語で行ったものと同じで、スウェーデンに適応できない人はここに来るな、そんな人はスウェー…
フィンランドのLepaaで毎年開催される園芸に携わるプロフェッショナルのための展示会で「もっとも醜悪な花瓶コンテスト」が実施された。これはどこの家にもある1980年代初頭に出回ったキッチュな花瓶や、トロフィーとしてつくられたとんでも花瓶など、醜い花…
昨日の記事でも名前を出した、犯罪関連事件を専門に扱うSVTのディアマント・サリーフ記者の長いインタビューがダーゲンス・ニュヘテルに掲載されていた。記事を読んで、そう言えば彼のことを何度かこのブログでも書いたことあるなぁと思い、遡ってみてみると…
この木曜日の朝に耳にしたのは、「毎年50万人が差別されたと感じている」ことをまとめた新しい報告書と、そして、その報告書をまとめたのが「差別撤廃オンブズマン」だというニュース。またオンブズマンには、差別に関する苦情が年間3500件よせられるが、こ…
先週、スウェーデンの行政最高裁判所が出したのは、スタファンストルプとスクループの2つのコミューンが導入しようとしていた、学校でのベール(頭にかぶるスカーフ)着用禁止令に法的根拠がなく、禁止令はこの国においては違法であるという判決だ。判決文…
「スウェーデンの法律は性別や宗教による差別をするものではなく、またスウェーデンのソーシャルサービスが子どもを誘拐することはありません」と最近のニュース番組で発言していたのは社会サービス担当大臣のカミラ・ヴァルテルソン・グローンヴァル。 なぜ…
昨日のお昼に散歩がてら街でランチでも食べようと出たら、小雨の中、広場ではイラン政権への抗議集会が行われていた。夕方のニュースは、今回のデモで逮捕された人の中から初の死刑宣告がイランで下されたと報じていた。 9月16日に22歳のマフサ・アミニさん…
死者も逮捕者も増えているが、マサ・アミニさんの死をきっかけに始まった今回のイランの現政権への抗議運動の勢いが弱まる様子はない。 昨日はSVTが、数千人の10代の少女たちが全国各地で抗議する様子がSNSで広まっていることを伝えていた。BBCが検証した動…
風紀警察に乱暴に逮捕されその後死亡したマフサ・アミニさんの死をきっかけとして始まった今回のイランでの大規模な抗議運動。これまでに多くに死者を出しており、国家の統治方法への抗議デモはイラン国内から国外へも広がっている。ロイターはイランがノル…
今月のElleラーゴム連載は、公衆トイレの話です! どうぞよろしく! かつて公衆トイレは男性用だった!ジェンダーフリーへと進化したストックホルムの“トイレ”とフェミニズムの歴史を、スウェーデン在住コラムニスト、ブロムベリひろみさんが繙く。 www.elle…
今週は最新の移民に関する統計からみえてくるスウェーデンの今についてです。 ダーゲンス・ニュヘテルが気合の入った移民統計に関する記事をまとめていた。2015年から2016年にかけての難民危機やパンデミックの影響にも関わらず、スウェーデンへの移民総数は…
今日から8月、そしてストックホルムのプライドウィーク。週末の6日の土曜日にはコロナの影響で中止されていたプライドパレードが3年ぶりに実施される予定だ。しかしわずか1ヶ月ほど前には、ノルウェーのオスロで予定されていたプライドパレードの前日に2人…
今週のニュースレターは子どもの性別適合新法案についての記事からです。 性別を変えると言っても、それは自身や周囲の認知によるものだったり、身体的適合によるものだったり、そして法的な登録を変更することだったり、その形は様々だ。最適な形は各自異な…
昨夜ストックホルムのスカンセンで行われたナショナルデーのお祝いで、国王が「夏至祭おめでとう!」とスピーチを締めくくったことが話題だ。 王室の広報担当者によると「国王はその日は皆様にナショナルデーをお祝いしていたが、もう夏至祭も間近なことから…
「Hen(ヘン)」は、従来の「Han(ハン・彼)」や「Hon(フン・彼女)」にかわって性別に関係なく使えるものとして広がってきた代名詞で、実際にあちらこちらで使われるようになって10年くらい経つ。 この度、雑誌『Språk(言葉)』が実施した「もっともイラ…
スウェーデン国立テロ脅威評価センターは(そんな機関があるのか)、このイースターの週末にあった反イスラム団体によるコーランの焼却行為で、スウェーデンに対するテロの脅威が高まる可能性があると発表した。 同センターによるとスウェーデンでテロが発生…
月曜日の夜に発表されたアムネスティ・インターナショナルの2021年の報告書は、世界の豊かな国々のパンデミック対応を厳しく批判したが、国別の言及でスウェーデンを厳しく批判していたことをSVTのニュースが伝えていた。 コロナに関しては、世界のリーダー…
先週のこの記事で予告編へのリンクを張った『HISTORJÁ』を観てきた。 swelog.miraioffice.com ”『HISTORJÁ 』というサーミ文化の歴史、そのスウェーデン政府との闘い、そして今は世界的な気候危機によっても脅かされるトナカイの牧畜の闘いに関するドキュメ…
スウェーデンのマルメに住んで16年経ち、デンマークで会社を経営するトーマス・ジェームス・トムセンさんは、エーレスンド大橋を車で通勤する。 長らくこの橋の上は自由に行き来できていたが、最近はスウェーデンに入国する際は必ず身分証明書の提示しなけれ…
このブログを読んでくれている方の中には、映画『サーミの血』を観られた人も多いのではないだろうか? www.uplink.co.jp この映画の中でも、20世紀初頭に世界でも最も人種生物学研究に力を入れていたスウェーデンで、サーミの人たちが劣った人種として研究…
スウェーデン行政機関が、子どもを親から引き離し、誘拐しているという、悪意を持った間違った情報がネット上で流され、スウェーデンに対する暴力的行為やテロの脅しが高まっている。 昨年末から始まったこのニセ情報でスウェーデンに対する敵意を煽っている…
swelog weekend nr 44 〈今週のトピック〉 田舎のLGBTQ〈今週のブログ記事〉 コロナ明け〈今週のスウェ推し〉 CO2eダイエット swelog.theletter.jp 今週は、孤立しがちな田舎に住むLGBTQの若者をサポートする動きについて。 スウェーデンで初めてのLGBTQデモ…
結婚している人の一方が子どもを出産した場合、もう片方の親もその性別に関係なく、自動的に親になる。これはこの1月1日からの親権に関する法改正によるもの。 この法改正で、親権に関する手続きが大きく変わるのは、女性同士が結婚している場合だ。これまで…
「謝罪とは加害者としての道徳的責任を認めることであり、相手からの許しを求めるものではない」と語っていたのは、スウェーデン教会のアンティエ・ヤッケレーン大司教。 スウェーデン教会は先週の水曜日、スウェーデン国教会時代に行使できた権力で、サーミ…
swelog weekend nr 28 〈今週のトピック〉 職場での人種差別はどう生まれる?〈今週のブログ記事〉 差別はある、から始める〈今週は怒ってます!〉 在外公館投票の体制のお粗末さ! 今週のswelog weekendはスウェーデンの労働市場における肌の色による差別は…
昨日の「ホロコーストの記憶と反ユダヤ主義への闘いのためのマルメ国際フォーラム」は、その警備のためにマルメで起きた混乱はともかくとして、無事開催されて無事閉会されたわけだが、会議の中で重要な議題として話し合われたのが、反ユダヤ主義の拡散問題…
ストックホルム郊外のハーニンゲ・コミューンに昨日オープンしたのは、高齢者向け住宅内でLGBTQI認定を受けた対応棟。 LGBTQI認証とは? 1950年に発足した、スウェーデンの性的マイノリティのための全国組織、RSFL。 RSFLでは、性的マイノリティの立場から職…
スウェーデンで各地方自治体が共同で運営している大規模医療情報サイトや、その他の行政機関の運営するサイトや提供される資料でもできるだけ「男性」「女性」という言葉を使わないという流れが目立ってきた。 先日のテレビのニュース番組で、この流れに反対…
ストックホルムのカロリンスカ大学病院は、性同一性障害を持つ子どもへのホルモン治療を中止することを決定した。治療法はまだ不確実で、患者へのリスクを伴う可能性があるとの判断からされたこの決定への、反論の声も高くなっている。 ストックホルムのKID…