swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

EU

フェイスブックやインスタグラムでの、広告なし課金サービスの真の意図

久しぶりにインスタグラムを使おうと思ったら「課金すると広告がなくなります。これまで通り無料でも使えますが、その場合広告があります」みたいなメッセージがでた。ああ、これがニュースでやってた、メタのGDPR対策か。ついに始まったなか、と思いながら…

歴史的なEUの気候変動対策関連案が可決されたのだけれども

4月18日(火)に欧州議会で、気候変動対策関連法案が可決された。これが何を意味するのか、SVTの気候変動問題解説員が説明していたので紹介したい。 jp.reuters.com 今回、欧州議会が承認したのは、2030年までに二酸化炭素排出量を2005年比で62%削減すると…

消防士が大量辞職もありうる、とデモを行う理由

スウェーデンにはストライキはほとんどないことを記事にしたけれど、労働条件に関するデモは時々見かける。少し前には助産師の労働条件に関する大規模抗議デモがあったし、先週くらいからデモを行っているのは消防士たちだ。これは現在の勤務シフト体系が、E…

水銀を含む蛍光灯の禁止で大幅な省エネを実現、なのだけど。

EUの決定で、スウェーデンでも大きな変化がでそうな話をもうひとつ。 欧州委員会は2022年3月、水銀を含む蛍光灯の段階的な使用禁止を決定した。これは環境とエネルギー政策の面でポジティブな決定だが、スウェーデンでは不動産所有者の多くがまだこの決定に…

EUがファストファッション禁止法(?)を準備中

EUがファストファッションを終わらせるための新法を準備していて、これが導入されれば使い捨てが横行するファッション業界の慣行を是正するものになるかもしれない。 スウェーデン環境保護庁でテキスタイル問題を専門に担当するイヴォンヌ・アウグストソンさ…

EUのタクソノミーの件でスウェーデンでの原子力発電への投資も加速しそうな件

EU主導で未来の枠組みを創っていく感じには、これまで感心することが多かったのだけれども、この水曜日の「原子力発電と天然ガスをグリーンエネルギーとして分類します」認定には「ちょっと待ってよ!」感が強すぎる。 EUは温暖化ガスの排出量を2050年…

NATOへの非加盟意思表示とEUの共通防衛条項、そしてコロナ記者会見は終了へ

昨日の午後開かれた記者会見でマグダレーナ・アンデション首相は「今の状況でスウェーデンがNATO加盟への加盟申請をすると、ヨーロッパの状況をより不安定にしかねない」として、加盟申請をするつもりはないことを表明した。 記者会見では、フィンランドが加…

スウェーデンの価格比較サイト、グーグルを巨額損害賠償で訴える

スウェーデンでよく使われている価格比較サイトPricerunnerが、EUの欧州連合競争法違反で、グーグルをストックホルムの特許・商業裁判所に訴えてる。求めている損害賠償額は220億クローナ(約2750億円)だ。 EU競争法とは 日本の独占禁止法に相当する、欧州…

スウェーデンの最低賃金とEU

スウェーデンには法定最低賃金はなく、賃金の水準は労働組合と企業の間の団体交渉の中で決められている。今問題となっているのは、EUが最低賃金に関わる法律を作ろうとしていることで、これができるとスウェーデンのこれまでの賃金モデルが壊れてしまう。 ス…

フェイスブックとEU規制 swelog weekend

swelog weekend nr 32 〈今週のトピック〉 フェイスブックとEU規制〈今週のブログ記事〉 女性首相の誕生を待ちながら〈今週のスウェ推し〉 ロバート・グスタフソン swelog.theletter.jp 今週のニュースレターは今なにかと話題のフェイスブックを始めとするア…

マイクロソフトのTeamsと個人情報

使用しているクラウドサービスのサーバーが物理的にアメリカにあると、スウェーデン人の個人情報がアメリカの諜報機関などの手に渡ってしまう可能性があるという問題で、コロナ禍ですっかり身近なサービスになったマイクロソフトのTeamsの使用をスウェーデン…

拡大生産者責任で衣類価格も上昇へ

拡大生産者責任とは、生産者が生産するだけではなく、その製品の廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方である。 生産者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方。具体的には、生産者が使用済み製品を回…

アイスクリーム回収騒ぎとE番号

7月の半ばからSia社やHamglass社のアイスクリーム、またSkånemejerietのクリームチーズやOrkla社のマーマレードなどが、使用が認可されていない物質を含んでいるとして市場からの回収を呼びかけている。 これらの食品には、EUでは使用が認可されておらず、発…

6G

という言葉、ニュースの表題に使われているのを見たのはおそらく初めてかも? 無線高速通信の5Gの本格的な展開もまだなのに、今年に入ってから6Gの開発が本格化している。ヨーロッパは6Gの開発で世界をリードしたいと考えており、年明けにEUとしての6Gプ…

スマホの寿命を伸ばすための新法をEUが超スピートで検討中

GDPRとか使い捨てプラスティックに関する新法とか、最近ではアルコール飲料への警告表示義務付け検討やさらにはワクチンの共同購入の件に至るまで、EUのちょっとグイグイ押してくる感じについてはこのブログでも何度か書いているが、また近く、EUから新しい…

Clubhouseだけじゃないよ!

個人情報の取り扱いやセキュリティー上の懸念が取り沙汰されるCloubhouse。スウェーデンの公共放送でもIT倫理の専門家の意見が紹介されていたので、今朝はこれを取り上げます。 Clubhouseは利用者の連絡先に登録されている電話番号にアクセスし、この情報を…

EUが検討するアルコールへの警告表示義務付け

アルコールの健康への影響の警告表示義務付けの検討が、EUで本格化してきた。 目下欧州委員会で検討されている広範囲にわたるがん対策の一つとして、この警告ラベルの義務付けが提案されている。方向性としてはタバコについている警告ラベルと同じだ。 この…

これからの世界地図、日本はどこにいる?

アメリカの大統領選挙でジョー・バイデンの勝利が確実視され、スウェーデンの公共放送SVTが最初に持ってきたのは、経済問題でも軍事問題でもなく気候変動問題への影響を解説した記事だった。 これはアメリカの大統領選だったが、その結果次第ではケニアの農…

やっぱりややこしすぎるでしょ、その夏時間廃止案

今年も冬時間がやってきたので、やはり書こうか、この話題。 swelogではこれまでに冬時間・夏時間の基礎知識のまとめと、その後EUで決定したややこしい夏時間の廃止案について書いてきた。 冬時間・夏時間 - swelog 今日のスウェーデンのニュース もっとやや…

衣類化学物質税

スウェーデン政府は計画していた衣類や靴に使用される危険な化学物質への課税を、2022年に開始することになった。対象とされる化学物質は主にがんやアレルギーを引き起こす要因になると考えられているもので、現在スウェーデンで販売されている衣料に使われ…

レジ袋税でここまで変わったみんなの行動

時としてスウェーデンの政策変更は、その狙い通りというか、わかりやすいほどの国民の行動変容を引き起こす。お父さんしか使えない父親休暇制度の導入で、育児休暇をとる父親が増えたこともその一つ。 そしてこの5月から導入されたスーパーなどのレジ袋、シ…

クロルピリホス、クロルピリホス

「クロルピリホス」は、シロアリ駆除や農業で害虫駆除剤として使用される毒性の強い有機リン系化合物だ。 人間の脳や神経系器官にもダメージを与え、特に胎児や小さな子どもには致命的な影響を及ぼすこともある。スウェーデンほか北欧諸国では農業向け殺虫剤…

個人情報と社会の透明性の微妙な関係

「個人情報に関わることなので、政府主催の花見の会への招待客情報は削除した」そんなあきれた政府の物言いが、透明性を重んじてきたスウェーデンでも近い将来現実のものになる? まさかそんなことはないとは思うが、スウェーデンでも昨年EUで導入されたGDPR…

再生プラスティックの需用の法則

飲みものなどのペットボトル。この容器の材料として使われる再生プラスティックの価格がヨーロッパでは新生プラスティックより高くなった、と製造材料価格分析会社であるS&Pがレポートにまとめている。 背景には再生プラスティックの需用が増えたことと、新…

意味のない署名

先週の木曜日に地域の公共交通局からメールが来た。9月14日からアプリ上でクレジットカードと連携した切符の購入がスムーズにいかないかもしれないでの、できるだけ前もってチケットを購入することをすすめると書いてある。 メールの背景は、この度EUで導入…

EPAと日本の食

喜んでいていいのだろうか? 先週の金曜日に発効された日本とEU間の経済連携協定、EPA。 関税額の変更、非課税障壁の撤廃、公共調達への参加の容易化、データ保護や知的財産権に関する項目に至るまでカバーする領域は多岐に渡るが、私達への普段の生活で一番…

服は買わない、という当たり前

年間一人あたり8キロの衣類が捨てられる ペットボトルやアルミ缶等の回収時の代金払いシステムもあり、プラスティックや金属の資源ごみの再生利用率はかなり高いスウェーデンでも、衣類やテキスタイルの再利用や再生利用は思ったほど進んでいない。 そもそ…

明るくて暗くなった街灯

LEDやハロゲンランプが主流に スウェーデンの夜道は暗い。やさしい光の街灯は美しいが、地味な感じであたりを照らす。エネルギー効率を考えLEDやハロゲン光源への変更が進んでいる最新の街頭も、実際は明るくなっているのに、以前より暗くなったと感じる人が…

昆虫を食べる時代

EUで食用昆虫養殖に指針 EUは来年にも食用昆虫の養殖に関する法的整備を整える方針で、スウェーデンでも昆虫養殖時代が始まろうとしている。 昆虫食先進国フィンランド フィンランドではこれに先立ち、2017年11月から昆虫を材料をした食品の製造と販売が認可…

女性は年末までタダ働き

EU内での男女間の賃金格差は16%にもなり、丸一年男性と同様に働いても女性は昨日の11月3日分までしかお給料をもらえない計算なるとEU委員会が発表している。委員会は認知を高めるため、11月3日をイコールペイ・デーとした。 EU委員会の計算では12%の差異が…

© Hiromi Blomberg 2023