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チーズ戦争、ボックスホルムの乱

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ボックスホルム(Boxholm)で作られていたチーズの工場が、700キロ離れた土地に引越しても、そのチーズを同じ名称で売り続けてもいいのか?

デンマークの巨大乳業メーカーArlaは、所有していたボックスホルムのチーズ工場をコミューンに売却。Arlaはそのチーズの生産方法とブランド名を保持し、同じチーズを700キロ離れたエステールスンドで生産し、販売を続けている。

この出来事に怒ったのはボックスホルムのコミューンと住民たち。Arlaからは同じ名前のチーズを他の場所でつくって売り続けるなどのきちんとした説明を受けていないと抗議。Arlaはコミューンからチーズ工場跡は他の目的に使用すると聞いており、問題はないだろうと考えていたことを明かす。

売却があったのは3年前だが、その後紆余曲折あって、チーズ工場跡は今度はコミューンから「本物のボックスホルム・チーズ」という名前のチーズを製造販売するという起業家に売却され、この度そのチーズの試食会が行われた。

誰がボックスホルムという名前をチーズに使うことができるのか? この件はこれから裁判で争われることになっているが、商標問題に詳しマリアンヌ・レーヴィン教授は土地の名前を商標登録することはできず、おそらくはどちらも使用独占権を得ることはできないだろう、との見解を述べていた。

ただし「本物の」という名前を使った新しいチーズには、本裁判を待つ間、「本物」という言葉を使ってはいけないとの仮の判決が言い渡しがされている。

生産地の名前に絡んだ名称といえば、こちらで時々みかけるオーストラリア産などの「Wagyu」問題に思いを馳せずにはいられない。しかし、今ウィキペディアで理解したところによると「和牛」というのは、もともとの日本在来の牛に欧米からの品種と交配された種を指すよう。

和牛 - Wikipedia

それを「和牛」と呼んだのであれば、「和牛」を「Wagyu」とされても文句は言えない?

ボックスホルムの乱・解説特別ページ(SVT)

商標に詳しい教授の見解「地名に独占権を持つことはできない」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022