先月20日、スウェーデンの最北の街ルレオ近くのHaradsにオープンしたArctic Bathは北極圏初の宿泊できるフローティング・カルバアドヒュース(寒冷浴施設)。
楕円形の施設の中央に氷を割って入るオープンエアーのプールがある。現在のところイギリス、アメリカそしてアジアからを中心とした宿泊客の9割がこの身を切るような凍水に体を浸す体験をして帰る。
日本人にはアイスホテルで有名なこの地域への観光客はこの10年で急増しており、なかでも目立つのはアイスホテルやArctic Bathのようにちょっと豪華な滞在旅行。
普通の旅行では飽き足らない人たちが、犬ぞりや気球からのオーロラ鑑賞(Arctic Baloon)などの贅を尽くした他のどこにもない体験を求めて世界中からやってくる。
この地方の観光業をまとめているSweden Laplandによると、この10年で地域の観光関連収入は倍増。2018年は71億クローナ(約810億円)にのぼったと計算されている。
少し前から増えていたSweden Laplandへの世界中のメディアからの訪問取材申し込みはArctic Bathの開業を機にあまりにも増えすぎて、現在はすべてに対応することができず断らなければいけないという状況だ。
雪と氷と暗さとコスト高は観光にとってマイナスの要素でしかないと思っていた従来の発想を逆手にとって成功した北極圏観光。これからの課題はおそらく「混みすぎないこと」になるのではないだろうか?