いやー、昨日は暑かった! かと思えば、うちの周辺は午後には急に局地的な嵐のような大雨が降る激しい天気に。そこで、今日は涼し気な氷河の話を選んだが、これも氷河が解けてゆく話ではある。
スウェーデンで一番南にあるへーラグス氷河でも氷河の融解が急激に進んでおり、最新の評価では30年後にはすべて溶けてなくなる見込みとなってきた。
そんな氷河の融解を少しでも遅らせようと始まったのが、氷河を白い布で覆うというプロジェクト。同様の試みはこれまでもアルプスを始め世界各地で行われてきたが、このスウェーデンで初めてとなるへーラグス氷河での取り組みは、プロジェクトのあらゆるステップにおいて温暖化への影響の考え抜いたちょっと特別(というかとてもめんどうくさい)もの。
(例えばイタリアのプレゼナ氷河での取り組みはこちら)
今回使われた布はプラスティックは含んでおらず、二次利用されたウールとコーンスターチでできている。布を巻いたものをカヤックを利用して作った土台に乗せて人力で運び、最後は急な雪の斜面の上を引きずって目的地まで持ち上げられた。
氷河の融解を抑制するだけでなく、ストックホルムからのプロジェクトチームは電気自動車で氷河のある地点まで移動するななど、プロジェクト全体で気候温暖化への影響をできるだけ抑えることを目指している。
そんな大層なことをしなくても、布はヘリコプターで頂上まで運べばいいじゃないか、とのコメントには、プロジェクトチームのリーダーの氷河学者のエリック・フスさんは「このプロジェクトが成功すれば、(他の研究プロジェクトに対しても)大きなインパクトを与える可能性がある。ここだけでそんな努力をしても、地球全体の温暖化に対してはまったく影響を及ぼすことはできないと冷笑する人には、”一人ぽっちでは何もできない”とグレタ・トゥーンベリに言ったらどうだ」と話す。
グレタは世界中の挫けそうな研究者たちにも力を与えているようだ💪