先週発売開始された『ミレニアム』シリーズの6作目の『Hon som måste dö (”死ぬべき女”の意味)』。本作はまた4作目からの著者ダヴィド・ラーゲルクランツによる『ミレニアム』としては最終作となることが決まっている。人気のシリーズの続編を書くという大役を終えたラーゲルクランツは、既に自身の作家エージェントもかえ、これからは自分のオリジナルの創作に意欲を燃やしている。
一方『ミレニアム』シリースはどうなるのか? これまでに既に全世界で1億部以上(!)売れている大ベストセラーのこのシリーズに興味をもつ出版社は後をたたない。
そのうちの一つがノルウェーのホテル王、ベッテル・ストルダーレン。実業家というよりはエンタメ界の有名人を彷彿とさせる、なにかと派手な言動で常に注目を集めるストルダーレンは、実は少し前に出版社を設立している。スウェーデンのタブロイド紙の報道にによると、そのストルダーレンが『ミレニアム』シリーズの権利獲得に意欲を見せているらしい。
『ミレニアム』の著作権といえば、オリジナルシリーズの作者スティーグ・ラーソンが急逝し、創作活動の協力者でもあった長年のパートナーは結婚という手続きを採っていなかったため、すべての権利がそれまでは当時疎遠であったラーソンの実の父親と弟が相続することになったという強烈ないきさつがあった。
ここまで映像化も含めて大作になった『ミレニアム』は今後もジェームス・ボンドシリーズのようになっていくのだろうか?
しかし、スティーグ・ラーソンが自分たちの老後の資金になればいいなと思って書いた『ミレニアム』シリーズがこんなに多くの人の飯の種に化けるとは、本人はまったく考えていなかっただろう。不思議なものだ。
『ミレニアム』の権利争奪戦へペッテル・ストールダーレンも参戦
参考
『ミレニアム』作家が遺した最強ヒロインと遺稿論争 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト