昨日食事をご一緒いただいた尊敬する先輩から、つい先日、NHKで放送された安楽死のドキュメンタリー番組のことを聞きました。ドキュメンタリーの内容に考えさせられること多く、安楽死に関する本も購入して番組を見た後ずっと考え続けているということでした。
安楽死について私が知っているのは、スペインの『海を飛ぶ夢』という映画と、アメリカの『世界一キライなあなたに』の2本の映画で知ったことくらい。
私は今回のNHKのドキュメンタリーはみていませんが、自殺ほう助と尊厳死を扱った『海を飛ぶ夢』は数多くの複雑な問題を取り扱った深い映画で、安楽死の話題に触れる度に思い出さずにはいられません。
スウェーデンでは今、安楽死を望む妻にモルヒネとオキシコドンの劇薬を注射した夫が殺人の罪に問われています。
この夫婦の場合は自殺ほう助ではなく、一方的に夫が妻に注射した結果死に至ったとして、検察が殺人の罪に問う形になっています。
妻は死に至る病ではなかったということですが、絶望的な状況下で長らく尊厳死を望んでいたそうです。夫婦は計画して、致死量に至るだけのモルヒネを少しづつ集めて準備。「殺人」が起きた日も、妻は自殺を試みたが自死できず、その状況打開のために夫が注射を決行したとの報告がされています。
夫は状況描写は認めていますが、殺人を犯したつもりはないと犯行を否定。また、その場には親族があと2人同席していたそうです。夫は「殺人」が認められると最短でも6年服役することになります。
裁判は、以前法務大臣を努めていたトーマス・ボストロムが被告側の弁護士を務めるそうで、ボストロムは数十年に渡り助けを求め続けていた夫婦にたいして、いかに社会が夫婦の救済に失敗したかを明らかにすると裁判に意欲をみせています。
今後は裁判に関する報道が続くと思うので、私もどんな議論が交わされるのかを追いながら自分でも考えていきたいと思います。
【2020年7月23日追記】
このテーマに関しては、最近こんなニュースもあって記事にしました。