警察が顔認識技術を使い始める時
ここ数年スウェーデンの警察で検証されていた顔認識技術は実用レベルに達しているとの結果がでて、間もなく現場での使用が開始される見込みだ。アメリカやイギリスの警察では既に顔認識技術は実用化されている。
容疑者の情報を監視カメラにプログラミングしておき、リアルタイムでマッチする顔が認識された場合に警報をならすシステムも、既に中国などで実際に使用されている。
スウェーデンの警察ではこれまでDNAや指紋などで本人確定と追跡をおこなってきた。顔認識は今後法的な問題がクリアされれば、これらの技術に加わることになる。
広がる使用領域と個人尊厳侵害論争
顔認識とAI技術を使用した個人特定手法は、個人の尊厳侵害の議論を呼ぶ。
最近ではテイラー・スウィフトが彼女のストーカーを見つけるために、コンサートにきた観客の顔を密かにスキャンしていたことに非難の声があがった。
技術はカナダでカジノにくる賭博中毒者の入場を止めるためや、ゲーム中毒者が廃人にならないように中国のテンセントも使用している。チェックインする客を顔認識ですばやく名前で呼ぶことができるように技術を取り入れているホテルも既にある。
出会いアプリでは、顔認証は好みの顔の人を探したり、以前の恋人とよく似た人(!)を探すのに使用されているそうだ。
ソフトな使い方が浸透した先には?
スウェーデンのルンドには世界の監視カメラ市場をリードするアクシス・コミュニケーションズという会社がある。しかし、現在に至るまでこの国での顔認識技術の使われ方は他国に比べて限定的で、さらに昨年導入されたGDPRが状況を難しくするとみられている。
専門家の見方は、今後顔認識技術はまずスマホのログインや、写真の仕分けなどソフトな使い方で浸透していくといったところだ。
便利だわーといって使っていると、そのうち世界中どこに行っても、設置された監視カメラで認識され、逃げも隠れもできない状況になっているのだろう。
それもきっとそんなに遠くない未来のこと。