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警察の個人情報開示要求に答えるグーグル、フェイスブック

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スウェーデン警察が事件の解明に必要とする容疑者のIPアドレスなどの個人情報開示要求に、グーグルやフェイスブックが対応することがグンと増えている。ダーゲンス・ニュヘテルが独自取材の結果を発表している。

ダーゲンス・ニュヘテルの記事によると、これらのインターネット企業が警察からの照会に協力的になったのは2018年のダークネットを使った大規模麻薬密売サイトFlugsvamp 2.0の捜査が契機だ。この時、警察が捜査の重要な鍵としたのが容疑者たちのメールアドレス。

この事件の捜査の際は、11件のGmailとHotmailのメールアドレスを特定することができ、そのメールアドレスで交わされたメールの内容やそれと結びついているホテルの予約、画像やログイン時のIPアドレスといった情報がグーグルやフェイスブックからスウェーデン警察に開示された。

2015年くらいまでは、グーグルやファイスブックは警察からの同様の照会にはその約3分の1程度にしか対応していなかった。照会は両社のアメリカの本社に持ち込まれる必要があるが、その頃はスウェーデン側からの照会は個々の捜査の担当官から行われるという形であった。

現在ではこのような照会はNoa(Nationalla operativa avdelningen)と呼ばれる国家事項対応局から常に統一した形で投げかけられるようになったので、グーグルやフェイスブックからの回答率が高くなり、また回答に要する時間も短縮された。個人の尊厳を守るため、照会の内容によっては、スウェーデン警察からの要求以外にも国際的な検察組織での確認を必要とすることもあると記事には書かれている。

両社の透明性レポートでも開示されている最新の数字である2020年の上半期では、スウェーデン警察からフェイスブックへの照会件数は505件でその回答率は87%、またグーグルへの紹介件数は373件で回答率が87%となっている。

記事ではグーグルやフェイスブックから回答を得るには、該当する事件がスウェーデンとアメリカの両国で犯罪として成立することが必要だと書かれている。例えば最初に上げた麻薬の密売はそれに当たるが、差別的な煽動はスウェーデンでは罪だがアメリカでは表現の自由により罪にはならず、このやり方でアメリカのインターネット企業から回答を得ることは難しそうだ。

昨日の夜は、日本の地震のニュースに驚いたが、もっと驚いたのはツイッターでこの地震に乗じて差別的なツイートをする人の多さだ。差別的な発言は日本では司法的な意味で罪にはならなくても、明らかで悪質な差別発言はせめてツイッターなどの企業の方針として禁止することはできると思うのだが、私の理解はまちがっているのかな?

フェイスブックはスウェーデン警察により多くの情報を提供するようになった(DN)

© Hiromi Blomberg 2021