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セムラ外交

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コンゴからコロンビア、そして日本でも。昨日のいわゆるセムラの日、世界各地のスウェーデン大使館は「セムラ外交」を繰り広げた。

スウェーデン大使館 on Twitter: "今日は「懺悔の火曜日(Fettisdag)」と言うことで、セムラの日!

エキゾチックな外見で、季節の話題性があり、さまざまなバリエーションも作りやすいセムラは(一時の日本のいちご大福のようだ)世界中でスウェーデンに注目してもらう絶好の機会。

スウェーデンが外交の手段として「食べ物」を使うのはセムラに始まったことではない。古くは1930年代の「スモーガスボード」がある。日本では「バイキング」と呼ばれるブッフェ形式のサービスの仕方で、みんななぜその名前がついているかよくわかっていないほど日本でも成功(?)した。

その後長らくは「ミートボール」がイケアのレストランなどでその大役を担っていたが「肉」を全面に押し出すのは、環境問題的にも個人の信条といった多様な価値感の尊重という点からも、今の時代にそぐわなくなってきた。

そこで外交の晴れ舞台に登場することになったのがセムラ。セムラであればアラブ首長国でもウガンダでもパキスタンでも関心を持ってもらえる。

昨日はスウェーデン国内では、巻きセムラ、リコリス・セムラから犬用セムラまで、さまざまな種類のセムラがニュースに取り上げられていたが、私が一番オッと、思ったニュースは「売れ残りセムラからウォッカを」だ。

取材に応じていたのはゴットランドにある大型スーパーで、このお店では1万5千個のセムラを準備する。昔に比べると売れ残ることは減ったが、それでも残り物はでる。セムラに限らず、このお店では2018年には年間120トンの食品を廃棄していた。それが直近では廃棄料は40トンまで減っており、その直接の理由が、スーパーからでる賞味期限のきれた炭水化物を原料としてウォッカをつくる「残り物蒸溜所」と契約したことだ。

この蒸溜所ではスーパーからでる賞味期限の切れたシリアルやパン、またはチョコレートなどを原料とした蒸留酒を作っている。使われる原料にこだわりにこだわったプレミアム蒸留酒もいいだろうが、残り物を廃棄しないで再利用して価値のあるものを作れるのはすばらしい。

うちではセムラは外交の手段ならぬ、私が食べたいといえば夫が作ってくれるかすがいの手段? になっており、また作ってくれたものは全部食べてしまうので、残りものセムラはでない。しかしカロリーを気にしたミニサイズということだっただろうに、一度に2個ずつ食べるのであれば、ミニサイズの意味がないのでは? 夫くん。

スウェーデン大使館はなぜ世界中で「セムラ外交」を繰り広げるのか (SVT)

売れ残ったセムラと食品廃棄物から蒸留酒を(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021