スウェーデンには推定17万人もの、いわゆるHikikomoriがいると伝える記事を読んだ。引きこもりは、日本人ならだれでも知っている言葉だが、スウェーデンのニュースでも使われているのをみたのは初めて。SVTのニュースではHikikomoriは社会的不安を抱える若者のことを指し、仕事をするでもなく、学校にいくでもなく、孤立して生活している人たちのことだと説明されている。
Hikikomoriとは
日本語で「引きこもる」また「閉じこもる」という意味で、1990年代に日本の精神科医によってつくられた言葉。勉強するでもなく仕事もせず、自分の殻を抜け出せない。日本で取り沙汰されているが、世界の他の地域でもみられる。(SVTの記事中の説明より)
仕事もせず勉強もせす、親と同居している人が約500人はいるとみているルレオ市は、これまでも18歳から30歳までの引きこもり状態にある若者を対象とした支援プロジェクトを実施してきた。
9月から第3回目となる、この「Moves」プロジェクトは、参加者に仕事する機会を提供し、また同じ境遇の人と出会い、自分の将来に責任を持つ機会を提供することを試みる。これまでに参加した人の約半数が、その後学業に戻ったり仕事を続けることを選び、ひきこもり状態を抜け出すことができたとプロジェクトの担当者は話す。
プロジェクトの運営資金はEUから出ており、スウェーデン全体では自治体連合会(SKR)が運営していると記事はまとめている。
この記事では、Hikikomoriはまだまだ若者の間での問題だと捉えられていて、日本の高齢化が進んだ引きこもりの、8050問題までの視点は、今のところはスウェーデンではないようだ。
Hikikomoriって書くと、なんだかフィンランド語のかわいい単語のように見えるが、この言葉がかかえる問題は深刻だ。これまではHemmasittare(家にいる人)という言葉が使われてきたスウェーデンで、Hikikomoriという言葉が定着しすぎないことを祈りたい。