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ワクチンと抗体と若者と

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公衆衛生庁が昨日発表したところによると、今、スウェーデンでは半数以上の人が新型ウイルスに対する抗体を持つ。これは同庁が定期的に献血者や外来診療などからの血液サンプルの分析し、発表しているもの。前回、4月末から5月にかけて行われた同じ調査では、抗体を持つ人の割合は33%だった。

大半がワクチン接種を済ませた高齢者層では、特に高いレベルの抗体が確認されているが、このうち新型コロナに感染した人はごく一部であるため、これはワクチン接種から検出可能なレベルの抗体を獲得することができたものだ、と説明されている。

若者の間ではワクチン接種も抗体の獲得も進んでおらず、0歳から19歳の間で抗体を持つ人は28%に留まる。18歳以上の人は全国すべての自治体でワクチン接種の予約を取ることができるようになったが、この年齢層からの関心はいまのところ低い。

同時にストックホルムでの感染者数はこの4週間間続けて増加しており、先週は44%増加。その多くが18歳から29歳の人たちだった。またこの感染者のうち三分の一は国外からの旅行先で感染した人でその多くがスペインから戻った人だった。

とはいってもスウェーデンでは、フランスやオーストラリアのように、職種や行動範囲の制限において、ワクチン接種を義務付けることはない。

新しい取り組みとして、予約しないでもすぐに接種を受けられる「ドロップイン」接種を始めた地方自治体もある。8月半ばにはスウェーデンでは16歳以上の人もワクチン接種受けられるようになる。

若くても重症化する人がいないわけではないし、まだまだ高齢者にうつしてしまう可能性もあるので、公衆衛生庁はさらなるワクチン接種を進めたいようだが、夏休み気分一杯だし、さて、これ以上進むのかな?

公衆衛生庁発表・新型コロナの抗体を持つ人が半数を超える(SVT)

各地で警鐘・若年層でのワクチン接種への関心の低さ(SVT)

各国で広がるワクチンの義務化はスウェーデンではありません(SVT)

ドロップイン式ワクチン接種で若者に来てほしい(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023