昨日約1000人の気候変動アクティビストたちが集結して、ストックホルム裁判所に向かい、スウェーデン国家を訴えた。訴状は国が十分な気候政策を行ってこなかったというもの。
この訴訟を起こしたのは、下は7歳から始まる636人の子どもと若者で、昨日のデモでは気候変動問題活動団体「オーロラ(Aurora)」の代表たちがスピーチを行った。スウェーデンの気候政策には問題がある、特に排出量をどの程度のスピードで削減すべきかについて、政府が調査しておらず、実現可能な計画がないことを指摘している。
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同様の気候政策において国を訴えた事例はすでにドイツやオランダにあり、これらのケースでは、欧州人権条約を根拠として裁判ではアクティビストたちに有利な判決がだされ、各国は気候変動目標の強化を余儀なくされた。スウェーデンの環境法の教授ヨーナス・エッベソンは、この訴訟がこれからスウェーデンの気候政策に影響を及ぼす可能性があるとコメントしている。
オーロラたちが主体となって、国を訴える可能性が話し始められたのは2年ほど前。前の環境大臣に同様の要求書が提出された時は、要求書の内容には同意しないと大臣から回答があり、具体的なことは起こらなかった。現在の気候・環境問題担当大臣にも書簡を送っていたが、返事はもらえていなかった。
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今、スウェーデンでベストセラーリスト入りしているのが、この訴訟にも参加しているグレタ・トゥーンベリによる『気候本(Klimatboken / The Climate Book)』。刻々と悪化していく状況の中で、私たちには何ができるのか? そんな究極の問いに対して、100名以上の地球物理学者や数学者、海洋学者、気象学者、エンジニア、経済学者、心理学者に哲学者と広範囲に至る専門家たちがそれぞれの専門知識を駆使して、危機に関する知識と理解がうまれるようにこの本は書かれた。今の地球の全体像を知り、これからすぐに何をしなければいけないのがわかる。
うちの夫もさっそく読んで、みんなに「読め」と薦めていた。そして「グレタは本当にすごい」とも。ほんとうにすごいなグレタ。
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十分でない気候変動政策でスウェーデン国家が訴えられる(SVT)