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「スウェーデンは自然に対して戦争を仕掛け続けている」

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「スウェーデンは環境と人権におけるリーダーであるように振る舞っているが、国内では先住民の権利を侵害し、自然への戦争を仕掛け続けている。世界はこのことを忘れることはないだろう」とツイートしたのは、グレタ・トゥーンベリ。

これは政府がスウェーデン最北部、ヨックモック近郊のカーラック(Kallakはルーレサーミ語のGállokのスウェーデン語表記)での鉄鉱石の採掘計画にゴーサインを出したことに対する彼女の意見表明だ。ここに鉱山を作る計画は、長年産業界と、トナカイの飼育者と環境保護運動との間で激しく対立してきた。

今回の決定で政府は、鉱山の運営会社にトナカイの飼育を存続させる責任をもたせる条件などをつけたが、反対する側の批判は激しい。今回の政府のゴーサインで鉱山の建設が許可されたわけではなく、今後この地域での採掘が可能かどうか調査する機会が与えられたというもので、最終的な決定はこの調査の後に土地環境裁判所が行うことになる。

与党連合から外れたスウェーデンの環境党も、政府に対する以下の厳しい声明をだしている。「サーミの権利と自然、そして将来の世代にとっての悲劇、政府は採掘にゴーサインを出しました。サーミ人、動物そして自然の権利よりも目先の利益が優先されるという信じられない出来事だ」。

同様のコメントはアムネスティやWWF(世界自然保護基金)からも出されており、WWFは「Gállokに関する今日の政府の決定は、間違った近視眼的なものであり、長期的にはトナカイの移動ルートと環境に壊滅的な打撃を与えるリスクがある。鉱石をどのように運び出すのかが明らかになっていないため、二酸化炭素排出量が大幅に増加する可能性が高い」と述べている。

折しもこの金曜日から『HISTORJÁ 』というサーミ文化の歴史、そのスウェーデン政府との闘い、そして今は世界的な気候危機によっても脅かされるトナカイの牧畜の闘いに関するドキュメンタリーが公開される。

先日予告編をみてぜひ観に行きたいと思ったが、これは今、絶対観なくてはいけない映画だな。

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カーラックでの採掘に対する反応「スウェーデンは自然と戦争している」(SVT)

スウェーデン政府がカーラックでの鉱山にゴーサイン(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022