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グレタの説明する市民的不服従「私の行動は緊急事態規定により、罰せられるべきではないはずだ」

水曜日にマルメの裁判所で、グレタ・トゥーンベリに2度目の有罪判決が下ったというニュースを見かけたらと思ったら、彼女は昨日早くもオスロの座り込みデモへの参加の別のニュースで登場した。

7月にマルメの港で行われたデモで、警察の退去命令に従わなったとして有罪になった彼女は、命令に従わなかったのは事実だが、取った行為は犯罪ではないと主張した。気候危機は健康と生命を脅かすものであり、地球の置かれた状況を考えると、私の行動は緊急事態規定により、罰せられるべきではないはずだ。気候危機を引き起こしているのは私たちが阻止しようとしている人たちの方だと話した。

この件で検察側は禁固刑を求めたが、判決は今回も罰金刑(50クローネの罰金を90日間と、犯罪被害者基金へ1000クローナの支払い)。しかし一度目より罰金は高くなっており(前回は50クローネが30日間)、判事はこれは一度目の判決を受けたその当日に犯した犯罪であったためだと説明する。同じ犯罪で何度も有罪判決を受けると、刑罰の内容に影響することがある。グレタが有罪となっている法と秩序への不服従の罪では、最高で6ヶ月の禁固刑にかせられる可能性もある。

この先投獄されるリスクについて「活動は重要だし続ける。それで刑罰が重くなるかどうかは時間が解決してくれるだろう」とマルメで話したその足で、グレタが向かった先はオスロ。昨日の朝からグレタはノルウェーの電力会社Statkraft社の入り口を封鎖する座り込みデモに参加した。

これは、500日以上も前にノルウェーの最高裁判所が、北部にある大規模風力発電プロジェクト(Fosen)は、先住民の権利を侵害しているとの判決を出したにも関わらず、発電所は今も変わらずそのまま運営されていることに改めて声をあげたもの。150の風力発電基があり、ノルウェー最大規模のFosen風力発電パークは、何世紀にもわたってサーメの人たちがトナカイの放牧を行ってきた場所につくられた

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昨日のデモではStatkraft社のCEOが、デモの代表者と対話を行い、反省しており、最善の解決策を見つけるという約束をすること、トナカイの所有者たちに敬意を払っていること、同時に風力発電所を維持するための方法が見るかることを望んでいると話した。

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以前書いた風力発電パークの記事を探そうと、このブログを「ノルウェー」というワードで検索したら、自分が考えていたよりも多く、ノルウェーのことも取り上げていたのに気がついた。デンマークのことは「スウェーデンとは違うやり方」として意識して書いているのでカテゴリーも作ったけど、ノルウェーのことは、国は違うけどスウェーデンと同じようなことがよく起こるということで、あんまり別の国のこととしてこれまで意識していなかったのかもしれませんな。

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グレタ・トゥーンベリ、マルメでの気候変動活動で有罪に・2度め(SVT)

グレタ・トゥーンベリが再度有罪に。罰金は3倍増に(ダーゲンス・ニュヘテル)

抗議者たちはスタットクラフト社の前で鎖で繋がれ、入り口を封鎖している(SVT)

オスロのデモ・特別サイト(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023