swelog ニュースで語るスウェーデン

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賞を授けて徹底的に祝う・社会活動家の場合

ノーベル賞の授賞式と晩餐会からもわかるように、スウェーデン人は人々の普段の業績にスポットライトを当て、賞を与えて盛大に祝うことが上手だなと思う。

それはノーベル賞のような世界中の人々の生活を変えてしまうような偉大な発明や発見をした人であっても、近所の商店街で今年一番貢献したお店を選ぶような時でも一緒だ。共通しているのは、受賞者を選出するための審査員をしっかり選び、そして選ばれた審査員たちはその賞にふさわしい人たちをじっくり時間をかけて選出する。表彰の際には審査員たちがまとめた受賞理由が延々と述べられることになるが、それがどんな小さな賞であっても、その人の業績や貢献を評価して公の場で褒めるという場に居合わせるのは、私たちをとても嬉しい気持ちにしてくれる。

昨夜開催されていたのは今年で16年目になる「スウェーデンのヒーローたち(Svenska hjältar)」という名の祭典で、これは社会活動や人命救助などの分野で特に優れた功績を残した人たちに賞を授けるというものだ。下記の動画からわかるように、社会活動家に賞を授ける場だからといって、関係者が集まって花束を贈呈して終わりといった地味なものではなく、授賞式にはセレブが集まり、映画や音楽の祭典と同じような派手な式を作り上げ、徹底的に祝う。(動画は今年の人命救助賞のもの)

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そして今年の「スウェーデンのヒーローたち」の大賞に輝いたのは、マルメで、このまままいけばギャング団の一員になってしまいそうな行き場をなくした若者たちを支援する活動を長年続けているニコラス・ルナッバさん。

ニコラス自身も父親が家を出た後、母と2人で貧困で生存ぎりぎりの環境の中で暮らしていたが、10代後半でその母も癌でなくすという環境で育った。ニコラスはその後の自分に必要だったものを提供できる「ヘーラ・マルメ」という慈善団体を18年前に立ち上げ、今では約4000人の活動支援者と200人のスタッフを抱え、3つの拠点で行き場のない若者たちのために様々な活動を行い、毎日3回食事を提供している。そんな子どもたちの中には「ヘーラマルメがなかったら今頃刑務所の中にいただろう」と話す、プロのバスケットボール選手もいる。

ニコラスは「私たちは長い間評価されるようなこともなく、黙々と働いてきた。このような大きな社会的な賞を得るということは、これまでの私たちが目指してきたことは正しく、社会に必要とされているということだとわかり、とてもありがたい」とスピーチで話していた。

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昨日の祭典には、こんな派手な式典なんて苦手だろうなー、と思われるグレタ・トゥーンベリも参加していて、そして、ここがまたグレタのユニークというか、かっこいいところなのだけれど、グレタは式典の間中、手元では緑の毛糸で編み物をしていた。編んでいたのはカエルの帽子ということなのだけれど、こちらも、式にはその人ができる形で参加するという、またなんだか新しいあり方を、グレタは私たちに示しているようで😊

ニコラスは疎外されている数千人もの若者たちを支援してきた(アフトンボラーデット)

2022年の祭典で表彰される今年のヒーローたちはこちら(アフトンボラーデット)

グレタ・トゥーンベリが「スウェーデンの英雄たち」に歓声「みんなすごい」(アフトンボラーデット)

© Hiromi Blomberg 2023