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進化するハッカー攻撃

私がルンドのアート系映画館でゆったりと『PARFECT DAYS』を観ていた頃、もう一つのシネコンではこんなことが起こっていたのか。

土曜日にスウェーデンの映画館チェーンFilmstadenや小売店のRustaなどの決済システムがハッカー攻撃を受け、販売システムが停止した。Filmstadenは送金アプリのSwishを使ったオンライン決済でチケット販売の一時的な解決策を提示したが、ポップコーンの販売などはできず、また攻撃にあった別の小売店は全店舗の閉鎖を余儀なくされた。

攻撃にあったのはITプロバイダーのTietoevry社で、ランサムウェア攻撃を発表されている。ITセキュリティのスペシャリストによると、このような攻撃は小売業から自治体まで今は毎週のように起こっており、主に2つのタイプに分類される。

伝統的なものは、ハッカーが情報を暗号化しファイルを復元してシステムを正常に戻すための身代金を要求するもだが、最近増えているのはハッカーが情報を盗み、システムを凍結した後で、金を払わないと機密情報を漏らすと脅すもの。後者のやり口では、一度身代金を払っても、その後何度脅しを受けることになるのかわからない。被害にあったときは決して金を払わないことも重要なのだそう。

他に最近わかっているのは、サイバー攻撃は非常に専門化しており、技術力に優る者はそれを能力の低い犯罪者に貸し出し恐喝をさせるなど、分業化が進んでいるという点。できるハッカーにとっては、この世界はまだまだブルーオーシャンなのかもしれない。

Coopへの大型サイバー攻撃があったのは2021年の夏。その後状況は少しもよくなっているようなところはない。当時「この事件はほんの始まり」と言っていたのだから当たり前と言えば当たり前か。 不思議なのは、日本から同じようなニュースが少しも聞こえてこないってことなんだけど。私が知らないだけなのかな?

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土曜日のハッカー攻撃に関して専門家コメント「毎週、毎週別の組織が被害にあっている」(ダーゲンス・ニュヘテル)

数社を襲ったハッカー攻撃・映画館がカオス状態に(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023