2023年10月27日に始まり、3ヶ月を超えて続くテスラでのストライキは1995年でのトイザらスでのストライキの期間を超えて過去80年で最も長期間続くストライキとなった。
しかし今週明るみでた統計で、ストライキは当初労働組合のIFメタルが想定していた形とは異なっていることがわかり、このままいくとアマゾンでの労使闘争の時のようなアンチクライマックスは結末を迎えてしまいそうなのだという。
今週わかったのはストライキに参加しているべきテスラの整備士130人のうち、参加しているのはそのうちの3分の1程度であるということ。ストが続く中もテスラの工場は稼働していたので、働いている人たちがいることは以前からわかっていたそうだが、いったいどれくらいの人がストを決行しており、どれくらいの人が働いているのかは明らかになっていなかった。
発表された国家調停庁の統計により、テスラでの紛争でスウェーデンの労働市場で失われた労働日数は1936日で、これはフルタイムの雇用者44人分に相当し潜在的なストライキ参加可能者の約3分の1でしかない。テスラの整備士の中にはもともとIFメタルメタルの組合員ではない人もいるだろうし、また去年のクリスマス前には、ストライキ規則違反でIFメタルは20人の組合員を除名処分にしたことも発表されていたらしい。
整備士のスト参加は中途半端な形だが終わるような様子はない。またこのテスラ工場でのストは多くのいわゆる「同情ストライキ」を呼び起こしており、北欧各地域の港湾でのテスラの締め出し、郵便物の配達やゴミの回収などといった措置も続いている。
囁かれ始めたのは、テスラは以前アマゾンがとった「既に労働協定を結んでいる企業にテスラの事業を移管する」のではないかという形。どちらか勝つのか負けるのかではなく、問題を横滑りさせる譲歩案だ。
しかし大規模なストライキのなくなったスウェーデンで、近年労使協調モデルと真っ向から対抗してきたのは、トイザらスにテスラにアマゾンと、そろってアメリカの会社ばかりですな。