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コロナと緩和ケアの、辛いけれども大切な仕事

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スウェーデンには、人が人生の最期をどう迎えたかを記録する「緩和ケア記録」(Palliativ registret)」という世界でも他に例をみない制度と機関がある。病院や高齢者特別住宅で人が人生の最期をどう迎えたかを記録し、その最期の時間をよりよいものにすることを目的とするものだ。

機関は、これまでに集まった新型コロナウイルスで亡くなった人700人の記録に関しても分析を進めており、例えば病院に行くことなく、高齢者特別住宅でそのまま亡くなった人たちのほうがおだやかに死を迎えた、などの見解がまとめられつつある。

特別住宅で過ごす特に高齢の人たちの多くは、すでにいくつもの既往症があり普段から特別住宅で看護師や介護士からケアを受けている人が多い。コロナの症状が出た際にも病状が進行する過程でどこかのタイミングで急に病院に運び込まれるよりは、馴染みのある環境で手当を受けながらそのまま息を引き取った方が安心したまま心静かに過ごせたのでないかと、緩和ケア記録の責任者がインタビューで話していた。

人が亡くなっていく様子を観察して記録する、とだけ聞くとなんだか冷静すぎて温かみのない行為のように思えるが、この記録と分析なしには何をどうすれば状況が改善できるのかもわからない。辛いけれども大切な仕事だ。

さて、今回のコロナで亡くなった方たちの話をする時に、スウェーデンでは特に「高齢者特別住宅(särslilt boende)」を理解しないと状況がよくわからないのだが、今日も特別住宅についてもっと知りたいと思って少しネットで検索してみただけで、日本語で書かれたレポートがたくさんでてきた。

日頃よりスウェーデンの高齢者サービスや介護には日本からの関心も高く、多くの研究者や研修者が来ているとは聴いていたが、スウェーデンに住んでるというだけでこれまで福祉や医療とはあまり関係のない生活を送っていた私には、すっぽりと欠けていた知識が日本語でよくまとめられていた。

下に紹介するのは2014年に天使大学の渡辺まどかさんがまとめられたもので、特別住宅の定義や、当時既にどんどん低下していたサービスの質をどう確保するかという点に関してよくまとめられている、関心のある方はぜひご一読ください。

”本稿におい て「特別な住宅」とは、特別な支援を必要とし、 「社会サービス法(Socialtjänstlag)」に則って その必要性を認定された高齢者のための介護付き 住宅である。これは日本では収容施設と誤解され ることも多いが、後述のように、家財道具など私 的なものも多く持ち込める1LDK などの個室であ り、入居資格を満たせばごく廉価もしくは無料で 誰でも入居が許される居室の集合住宅である。そ のためスウェーデンではこの介護付き住宅を施設 ではなく「特別な住宅」(särskilda boendeformer , särskilt boende)と名付けており、本稿でもそう 記すことにする。”

以上の引用は下記の論文より

「スウェーデンにおける高齢者サービス民営化とサービスの質確保の取り組み)」

コロナで亡くなった高齢者の最期に関する新しい研究