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バルト海のアオコ、シアノバクテリア

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こちらは去年行ったブレーキンゲの島

ルンドは連日26度の暑さです、とか言って騒いでいたら、昨日のスウェーデンの最高気温は北極圏近くの街、シェレフテオの34度だった。

目下スウェーデン全体を覆っているこの暑さは、この先まだ2,3日は続きそうだが、スウェーデン気象庁はそれに伴い予想される、バルト海での有毒なバクテリア(藻と呼ばれることもある)の繁殖に注意を促している。

問題とされているのはシアノバクテリアと呼ばれる微生物で、通常より普通に海洋に存在するもの。これが一気に繁殖する現象は日本ではアオコと呼ばれている(参考・国立環境研究所のシアノバクテリアとアオコの解説ページ

シアノバクテリアは、海の水温が高くなると海水中の栄養分が増え一気に繁殖が進む。風や波が穏やかで気温が高い日、私たちがまさに海水浴にでかけたくなるそんな日に、このバクテリアは繁殖する。

シアノバクテリアと一言でいってもいろいろな種類があるが、中に一つ、人間や動物にとって有害な毒性をもったものもがある。このバクテリア(”藻”と考えるとよさそう)が繁殖しているあたりではなるべく海に入らない、また小さな子どもや犬などが海水を口にいれないように十分に注意する必要がある。

またこのシアノバクテリアは海底の酸素不足を引き起こす要因にもなり、これでその周辺の海底生物が死んでしまう。今バルト海では、デンマークの領土と同程度の領域が「死の海底」と化しているそうだ。

今、シアノバクテリアの繁殖は、具体的には今ゴットランドの南と東側で始まっており、またストックホルムのアキペラゴー周辺でもその兆候が認められる。

バルト海側でひと泳ぎしようと考えている方は、気をつけて海水浴を楽しんでください!

週末はバルト海で有毒なバクテリアが繁殖する可能性あり

シアノバクテリアには、こんな有害なものもある一方で、食用、エネルギー源など様々な可能性を持ったとてもおもしろい微生物のよう。ちょっと検索したら、こんな面白そうな記事をみつけました。この週末にゆっくり読もうっと。

多彩な戦略で挑むシアノバクテリア由来の燃料生産

© Hiromi Blomberg 2023