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多様化社会、環境、移民、働き方などスウェーデンのちょっと違った「ほんまかいな!」なニュースから、毎日ひとつ選んで紹介しています

『移民』と過ごす夏休み

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スウェーデンは、今、移民や難民を多く受け入れていることでも世界の中でもかなりユニークな国だと思うが、19世紀後半、20世紀初期に国民の5分の1近くもの多くの人たちがアメリカなどへ移民していった歴史がある、という点でもかなりユニークだと思う。

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(以前作成した資料より抜粋)

そして、その時代を描いたスウェーデンを代表する、映画にもなった文学作品といえばヴィルヘルム・モーベリの一連の『移民』シリーズ

映画一作目である『Utvandrarna(「移民として出ていく者たち」の意。日本での公開時のタイトルは『移民者たち』』)は、北欧を代表する俳優マックス・フォン・シドーとリブ・ウルマンの主演でヤン・トロルが監督して1971年に公開された。アカデミー賞の作品・監督・主演女優・脚色、さらに外国語作品でノミネートされた歴史に残る名作だ。

その後、彼らがアメリカに渡ってからの生活を描いた映画『Nybyggarna(「移民として築いていく者たち」の意)』も、その翌年続いて公開されている。

(今、ブルーレイ(英語版?)でも両方の作品を観ることができるようです。)

クライテリオンからのお知らせ《1》 ヤン・トロエル監督作『移民者たち』『ネクスト・ランド』 (Blu-Ray, R-1) | Stereo Sound ONLINE

『移民者たち』作品紹介トレーラー

この大作のリメイクが50年の時を経て制作される。制作することは5年前に既に発表されていたが、その後監督が変更になったり、ようやく制作を開始する段階に入ったところでやってきたのが今回のコロナ禍。

ロケ地としてはチェコが選ばれていたが、今、外国での撮影は難しいということで、この度、新たにスウェーデンのヴェストラ・ヨータランド地方(ヨーテボリ周辺)で9月から撮影が開始されることが決定した。監督は『ウトヤ島、7月22日』のエリック・ポッペが担当する。

 ……、とか私、知ったかぶりをしてつらつらと書いてきたが、実はこの『移民』シリーズ、 スウェーデンに引っ越してきてもう20年も経つのに、未だに読んでもおらず、観てもいない。言い訳するなら、あまりにも悲しすぎそうな物語なので、映画を見るにもちょっと心構えと体力がいると思っているのです。

何しろ、同じようにこの時代の貧しいスウェーデンの農民を扱って、こちらはアカデミーの外国語作品賞を受賞した『ペレ』は、そのタイトルや、作品の中で重要なモチーフとして出てくる「野いちご」やスコーネの村の名前「トメリッラ」と聞いただけで、もう涙が目に浮かんできてしまうほどの影響を私に与えている。『ペレ』は私にとっては間違いなく、世界で一番みるのがつらい映画である。(そういえばこれもマックス・フォン・シドーの映画だ)

私は『移民』シリーズを、本は読まずともせめて映画は見ようと思いながらもできていないことを、ずっと心のどこかで恥ずかしく思っていたのだが、このまだやってない夏休みの宿題のような長年の課題を片付けるときがやってきた。

今年の夏は『Utvandrarna』と『Nybyggarna』を観ます! ついでに、今も公開されている、スモーランドの『Utvandrarna』のロケ地にも遊びにいくといいかもしれない。

最初のUtvandarnaが撮影されたのはここ ー 人気再燃に期待

新しい『Utvandrarna』は2021年のクリスマス時期に公開される予定です。

また、スウェーデンの「出ていく、やってくる移民の歴史」に興味があれば、以前まとめたこちらの資料もよろしければどうぞー。

スウェーデンと移民(公開版2020年6月) - Google スライド

『Utvandrarna』リメイクでクリスティーナとカールオスカーを演じるのはこの人たち