NATO加盟の話、いろいろあってトルコも相当怒ってるだろうし当面進展はないんだろうなと思っていたら、昨日突然こんなニュースがあり驚く。普段アメリカ軍は沖縄から出ていってほしいとか、直近ではオスプレイ墜落のニュースとかに接しているので、嫌な予感しかしない。
ニュースの概要は、共同通信やロイターも配信していてるが、こんな話だ。
オースティン米国防長官は5日、訪米したスウェーデンのヨンソン国防相と国防総省で会談し、両国間の防衛協力協定に署名した。スウェーデン国内での米兵の法的地位など米軍駐留に向けた環境を整備し、防衛分野で協力を強化する
日本語の記事には書かれていない詳細をスウェーデンの報道から少しまとると、これによりアメリカはスウェーデン各地にある17の軍事基地に、無制限に(!)アクセスできるようになる。
これらの基地はストックホルムのアキペラゴーにも、最北のルレオにも、そしてバルト海のゴットランドにもあるし、スコーネにある2つの基地も17の基地のうちに入っている。アメリカ軍はこれらの基地に軍人を派遣し、演習を実施し、給油することができ、空からも海からもアクセスする権利を得る。
ノルウェーをはじめ、他の北欧諸国も同様の協定をアメリカと結んでいるが、今回のスウェーデンとの協定でもアメリカは事前報告の義務があるとは言え、さまざまな基地へ武器や弾薬を持ち込み自身で管理することができるようになる。既に、スウェーデンに核兵器が持ち込まれる危険があるのではと指摘する声も出ている。
さまざまなメディアが専門家や基地の近くの住民などにインタビューをして、賛成、反対、双方の声を伝えているが、この協定は私たち市民が今なにを思おうとも、これから国会で審議され、4分の3以上の賛成があれば批准される。協定には社会民主党をはじめほとんどの野党も賛成していて、反対しているのは左党だけなので(環境党は意見表明してしない)手続きを経て、来年になると協定は正式に発行されることは確実だ。
この間の原発じゃんじゃん増やしまっせの件といい、今回の防衛協定の件といい、突然に政府が決めてしまったような印象を受けるはきっと私だけではないはず。少し前までは「この人たち、いったいいつまで議論してるんだろう」っていうのが、私のスウェーデンへの印象だったのだけれど。
この協定にスウェーデンも署名してて、本日現地でおこなわれたクリステルソン首相の演説をさっき聞いて「そんなことに賛成した覚えはないで!」と憤っていたところです。北欧では他にはフィンランドもhttps://t.co/GMapjN2wWz https://t.co/oYpz8228Gc
— ブロムベリひろみ (@hiromi_blomberg) 2023年12月2日
NATO加盟問題でもずっと発言している「スウェーデンの平和(Svenska Freds)」のシャスティン・ベルイェオ会長が「無茶苦茶だ」とインタビューに答えている。最後に彼女の言葉をもう少し紹介する。私はきっとこの団体に参加するべきだな。
これはスウェーデンの領土に関する話で、スウェーデンは外国のために、アメリカのために軍事基地を開放するという。スウェーデンの安全保障政策上の信じられないような転換点であり、スウェーデン国民はこの再編成が何を意味するのかわかっていない。