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讃美歌とLGBTQ

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スウェーデン教会が讃美歌集の新編纂の大仕事に着手している。

1645年に初めての讃美歌集が作られてからこれまでに3度の大掛かりな編纂作業が行われており、現在の版は1986年に20年の長きに渡る編纂作業を経て完成し、800近い讃美歌が納められている。

新しい形の婚姻や死生観を反映して、結婚式や葬式の際に唄う歌にもっと幅をもたせてほしい、と信者や関係者からの強い希望に後押しされ、スウェーデン教会では2018年に新しい讃美歌集を編纂することを決定。目下、一般市民からも創作新讃美歌の公募呼びかけも行っている。

今回の新規編纂作業に関して、キリスト教LGBTQ団体であるEkhoの会長のヨハンナ・ヴィクベリは「例えばという呼びかけよりも、あなたという呼びかけの言葉を使うことにより、よりインクルーシブな讃美歌を作り上げてほしい」と話す。

教会にやってきたみんなが、ここは私の場所だ、と思ってもらえるような讃美歌を、と彼女は続ける。例えば今の讃美歌に納められている結婚式向けの歌をLGBTQの視点から見た時に選べるものはとても少なく、婚姻ではなく夏の盛りの花の美しさを唄ったものなどに限定されてしまうそうだ。

今は讃美歌集を装備することはやめてプロジェクターで歌詞を投影することにした教会も増えているそうだが、それでも今のハンディな本の形としても収めることを考えると新しい讃美歌を入れるためには、古いものを削除しなければならない。スウェーデン教会の担当者は、この作業が一番難航しそうだという。

スウェーデンで最後まで残ったビデオDVDレンタルチェーン店がレンタルをやめるという別のニュースに触発されたのか、昨日の夜、突然昔のCDやDVDの整理を始めたがすぐに難航してしまった私には、その作業の難しさがとてもよく実感できるニュースでした(って、ちょっとレベルが違いすぎかな😅)
スウェーデン教会が新しい讃美歌集を編纂「望む声が非常に高い」

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© Hiromi Blomberg 2023