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警察を効率化しようとするとどうなるか?

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今から5年前、スウェーデン警察は組織運営改革の一環として全国各地にある緊急電話受付センターの数を劇的に減らした。それまで全国各地に21あったセンターは現在では7ヵ所になっている。

今、その負の影響と考えられるような事態が起こっている、と現状に激しい批判を寄せるのは警察学の教授ステファン・ホルゲールソン。彼は「警察は能力も地元に根ざした知識も失い続けている」と言う。センターに電話がつながっても受付担当者が事故現場の場所が分からずに探すのに時間がかかったり、現場に警官を派遣することができないという事態が起きている。

ナイフをもった侵入者という非常事態になんとか警察に電話が繋がったものの真剣に取り合われず、自らはレイプされ友人はナイフで刺されてしまい、ようやく警察がやってきたのは2度目の電話の後。実に最初の電話から1時間半後だったという悲惨な目にあった女性が昨日テレビのインタビューに答えていた。

その間彼女はレイプされ続け、友人は死んでしまった。「なぜ警察は私の電話を本気で取り合わず、一度目の電話ですぐに助けに来なかったのか」と、声をつまらせながら苦しそうに話す彼女。

SVTがこの度明らかにしたこの緊急電話の会話の録音テープや記録からは、警察は場所を確認するのに相当時間がかかっていたことがわかる。担当者がなぜ真剣に取り合わなかったのに関する警察側からのコメントはまだ出されていない。

警察側の組織運営の責任者ヨーナス・ヒューシングはこの件を受けて、緊急電話受付センターとは別に、各地元コミューンの警察組織が地域住民への近さと知識を補完する役割を担っている説明し、(連携が上手くいっているとはいえない事態はあるものの)組織の運営形態に関する改善は常に行っていくと付け加えた。

誰もが世界中で同じものを使っているパソコンのお客様電話相談センターのようなものなら、担当者が世界のどこにいてもその機能は果たすのだろうが、現場の近くでなければできない、わからないことは世の中に多い。警察組織は効率化されすぎたりせず、今の緊急電話受付センターの状況が改善されることを祈ります。

警察学研究者「警察は能力も地元に関する知識も、その両方を失った