性的嫌がらせで選手生活を終えることを決意
オリンピックレベルでの活躍が期待されていた、スウェーデン女子卓球界の若いエース、エレン・ホルムステンがナショナル・チームの指導者から度重なる性的嫌がらせや性差別を受けていたことを理由として選手活動を中止することを自身のブログで発表した。
エレンは、嫌がらせを受けたこと自体と、また本人の度重なる訴えにも関わらず、チームとして適切な対応をとってもらえなかったこと、ナショナルチームが問題解決のためにやっとった外部のコンサルタントが問題の指導者と昔からの知り合いで、エレンが訴えるような問題はもう見られないとされてしまったことを自分のブログで書き、発表した。
選手のブログを追う大手メディア
新聞やテレビがスクープという形で取り上げなくとも、個々人が自分で各種プラットフォームでパブリック化し、大きなインパクトを社会に与えることのできるこの時代。
エレンのブログの記事が表にでてから、テレビ局や新聞などは、卓球協会の会長にインタビューしたり、くだんの指導者にコメントを求めたり、あたふたと対応しているように見える。
メディアごとに異なる個人特定情報の扱い
こういった事件性のある問題で、個人を特定できる情報をどう扱うか、メディアによって大きな違いがでることは、スウェーデン・アカデミーとアルノー(当時は容疑者)の記事で指摘したが、今回もSVTはエレンの名前を伏せ、性別もニュートラルな代名詞Henを使って記事を書いている。
一方、Dagens Nyheterでは、名前はおろか、彼女がよく知られた選手であることにも意味をもたせた書き方で、今18歳のエレンの写真も載せている。
声よ届け
言論の自由をはきちがえ、ツイッターなどを差別的発言で埋め尽くしたりするのはやめてほしいが、これまで発表の場がなく、自分の声を届けることのできなかった人達へSNSやブログというツールができたというは、やはりすばらしい。
性差別の嫌がらせでナショナルチームをさった才能 (Dagens Nyheter)