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歴史的首相不信任案可決のアンチクライマックスと混乱

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在任中の首相への不信任案が国会で可決されるという、スウェーデンの政治において「歴史的なできごと」が起こった今のこの国の空気をとてもよく表す発言だなと思ったのが、昨日の夜のニュースでのミカエル・ダムベリ内務大臣の開口一番の言葉。

(昨日の不信任案決議と今後の見通しの概要については、このBBCの記事がよくまとまってる。スウェーデン議会が首相不信任案を可決 辞任か解散選挙へ - BBCニュース

「とても混乱していて、これはスウェーデン国民が望んでいたものではないだろう。国民はやっときた夏至祭の休暇や(サッカーの)欧州選手権でスウェーデンが8強に残るかどうかに関心があるだろうし、それになによりもパンデミックの真っ只中でのこの政局の混乱だ」

ロベーン首相は、辞任して国会の議長に首相選出の調整を再び託すか、議会を解散し選挙をして国民にも信を問うか、どちらかにするかをこの先の1週間内に決めることになる。

次の選挙がすでにあと1年後に決まっていること、またコロナ禍でもあるという今の状況で今、選挙をするとは考えにくいので、議長による国会内の調整になるのかなと予想するが、これ、前回は首相が決まるのに4ヶ月近くかかったのですよね。(ちなみにスウェーデンの選挙には43億円かかる)。

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選挙を経ないとなると、次の内閣がどのようなものになるかは、少数派政党である「中央党」がどうでるかにかかってくる。今回のロベーン首相への不信任を最初に表明した左党は「ロベーンが新築アパート家賃問題を議案としてあげないと約束した後に、彼がまた首相となることを望んでいる」と表明しているし……(わかっていたけど、これを左党が真顔で言ったのを聞いた時には、私は思わず吹き出してしまったですよ😥)

しかしロベーン首相、この数日で眉毛に急に白髪が増えたと思ったのは私だけだろうか?

ダムベリ内務大臣と自由党党首サブニの見解・中央党が鍵を握る

© Hiromi Blomberg 2023