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伝書鳩

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サーバー攻撃が激しくなっているので、セキュリティを考えて伝書鳩でメッセージを伝えることが再びトレンドになっているというニュースか? と一瞬思ったが、実際はそこまで逆行していなくて、記事は伝書鳩を使った鳩レースのスウェーデンと世界での現状を伝えていた。

伝書鳩が通信の手段となることは現在ではまれだが、訓練された鳩を同じ場所から離して、それぞれの鳩小屋まで戻る平均速度を競うレースは一部で盛んだ。スウェーデンではこの鳩レースに参加する人は減ってきてはいるが、熱心な愛好者はいる。

2005年に500人いたスウェーデン伝書鳩協会の会員は、今では150人に減ったが、今年もこれからの夏のシーズンにスウェーデン全国大会が行われてチャンピオンが決定される。競技会は時には1週間も鳩の帰りを待っているという、他のいわゆるレースとはちょっと異なる時間の流れで実施されている。

スウェーデンの伝書鳩レース愛好家は鳩舎の管理やエサ代、競技会への参加費など、レースで獲得する賞金よりは出費の方が多いようだが、世界に目を向けると様子は変わってくる。

ベルギーの労働者階級で人気のあった伝書鳩レースは、今、中国で加熱している。数千万ユーロの賞金を掛けたレースもあって、鳩の価格も高騰している。鳩は競走馬のようになった。

レースに勝つためにドラックを打たれる鳩は後を立たず、また鳩舎が放火されるなどの事件もある。よい血筋の鳩がオークションにかけられると驚くほどの値で落札される。最近ではレースでよく優勝していた鳩がレースから引退した後、母鳩として中国からの買い手に160万ユーロで落札された。

最初は100キロ程度の距離を鳩舎まで戻る程度の鳩は、3年くらいの訓練で優秀なものは、1000キロの距離を戻ることができるようになるそうだ。しかし、レースの最中には猛禽類に狙われることもある。

さて、伝書鳩とサイバー攻撃は関係がなかったが、今もまだCoopでは復旧していない店舗が多数。政局の方はロベーン前首相を再び首相にするかの決議が明日国会で採択さえれることは決まったが、まだまだ動きは不安定。ちゅうぶらりんな感じの火曜日。

伝書鳩は「空の競走馬」。大金のうなる一大産業に。(Dagens Industri)

 

© Hiromi Blomberg 2023