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イケアが気候に投資する時

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先週、イケアの気候スタートアップへの投資の記事をいくつかのニュースメディアで見かけた。

イケアは2012年から非常に小規模ではあるが、マルメで社会的起業家から製品やサービスを調達することを始め、さらにその地域限定的だった取り組みを世界レベルに持っていくことを目標に、IKEA Social Entrepreneurshipという会社を設立した。

それによりSDGsの目標の一つである、貧困の撲滅などの社会的課題に取り組む企業に、直接融資や投資を行うことが可能になった。今回の記事で取り上げられていたのは、この形態で始めての投資となる、スウェーデンのスタートアップIgnitia社への合計3500万クローナ(約4億5千万円)の投資ラウンドへの参加だ。このうちIKEAのの投資分は800万クローナ(約1億500万円)だ。

Ignitiaはこれまで西アフリカの零細農家のための超局地的な天気予報を提供してきた。赤道付近の天気を予測することは難しく、かつ農家は水源は雨水に頼るだけという状況の中で、IgnitiaはGPS機能のない安価な携帯電話でも使用できるサービスを提供する。携帯電話会社の通信網マストを使って位置情報を把握し、それに基づいて超ローカルな天気予報を安価なテキストメッセージで配信する。Ignitiaは今回の投資で受けたお金を元にサービス範囲をブラジルにも広げることが可能になる。

イケアの社会起業家へのサポートは、これまで購買活動の分野にほぼ限られてきたが、IKEA Social Entrepreneurshipでは、2年前にスタートアップ起業をサポートするアクセラレータプログラムを立ち上げ、今回12の社会的に意味のある企業、プロジェクトへの投資を始めて行った。Ingitiaはそのうちの1社だ。

このイケアの活動をグリーンウォッシュだと冷笑するか、期待するか? 私は自分ではもうほとんどイケアで買い物をしなくなったけど、これだけのリーチと影響力とお金を持っているイケアが、これからやってくれるだろうことにまだまだ期待しています。

IKEAがハイパーローカルな天気予報に投資(ダーゲンス・インダストリ)

© Hiromi Blomberg 2021