これまで立案に時間がかかっていた、コロナの高リスクグループの人向けの感染予防給付金がようやく決まりそうだ。
スウェーデンでは新型コロナウイルスに感染すると症状が重篤化する可能性が高い「高リスクグループの人たちは、社会から離れておくべき」という方針でコロナ対策を進めている。昨日取り上げた「70歳以上の高齢者」もその高リスクグループの一つだ。
高齢者は社会から距離をとっていても年金がでるが、高リスクグループに入っているがリモートでも働けない人たちの給与補償をどうするかが、この度ようやく決まりそうだ(問題のもう少し詳しい内容は下記の記事も合わせてどうぞ)。
決まらない対策。私はこの一日を前に送る - swelog 今日のスウェーデンのニュース
高リスクグループに属するので職場で働くことは避けたいが、自宅からリモートで働くこともできない人は、欠勤分の給与補償給付金を受け取ることができるようになる。
給付金の対象となるのは、以下に代表されるカテゴリーに当てはまる人たちで、全国で約7万人程度と見積もられており、この対策に必要な予算は全体で50〜60億クローナ(約565億〜680億円)程度となる、とTT(スウェーデンの通信社)が伝えている。
そしてその人たちとは、
- がんの治療中であるか、ごく最近治療を終えた人
- 心血管疾患、高血圧、合併症を伴う糖尿病、慢性腎疾患および腎不全または慢性肝疾患の複数の診断を同時に受けている人
- 慢性肺疾患の人
- 病的肥満と診断されBMIが40以上の人
- 免疫不全症の人
- 臓器移植を受けた人、などだ。
給付額は一日あたり最高804クローナ(約9100円)で、当面はこの7月1日から9月末までの間で、最高90日分の給付金を受け取ることができる。
野党は「1歩前に進んだ」とコメントする一方で「案の取りまとめに時間がかかりすぎだし、また同時に問題になっていた高リスクグループの人と同居する家族への給付金案」が盛り込まれていないと批判の矛先を緩めていないが、まずはこの対策が決まりそうでよかった。
高リスクグループとされている人たちの不安な気持ちが、これで少しは和らぐといいのだけれど。