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世界一心のこもった拒絶と写真スパイ

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「写真スパイ」

と聞き慣れない言葉で、オリンピック開催中の東京での取材生活を語っていたのは、スウェーデン大手新聞ダーゲンス・ニュヘテルのヨハン・エスク記者。

「写真スパイ」とは、オリンピックのために外国からやってきたジャーナリストや関係者が、少しでも日本では認められないと思われる行動を取ったところを写真や動画におさめ、SNSなどで拡散することを使命として行動している日本人のことを指している。

バッハ会長が「オリンピック史上最高の大会」述べていたのとは対象的に、この記者の東京オリンピック体験はこれまでのところ「史上最悪」で、そこに至る過程はIOC、東京オリ・パラ組織委員会と日本政府が力を合わせて達成しつつあるという。

そしてこの大会はおもてなしを全面に押し出していたはずだが、エクス記者は「こんなに歓迎されていないと感じたことはこれまでなかった」とつぶやく。

さらには、距離をとってくださいと言われるのに混んだ報道機関移動用のバスに押し込まれたり、膨大な予算で動いている大会なのに、1本のバスを増発する予算もないと言われたりするその大会運営の非論理性を嘆き、はたまた、ここは中国か統一前の東ドイツか? と思うほどの「ルールを破れば告げ口される」という抑圧的な社会に驚きながらも、「史上最悪の大会」の真の理由は新型コロナウイルスにあるとまとめるエスク記者も、これまでは見えていなかった日本の顔に気づきつつある。

このコラムでは「もうすぐ来日してから14日間のバブルが終わるので、普通に動いている東京の街で自由に活動できるようになる」とエスク記者は楽観しているが、残念ながら、きっと写真スパイは彼が日本を離れる時までどこまでも彼を追い続けることになるだろう。

ヨハン・エスクのコラム「東京が最悪の大会へとなりつつある中、街には写真スパイが」

© Hiromi Blomberg 2021