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移民と警察官養成試験

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スウェーデン警察は、両親もしくは自身が外国生まれの、外国にルーツを持つ警官を増やしたいと思っているが、そのような人は警察官養成試験に合格しにくくなっていることがSVTの調査でわかった。

社会から信頼を得るためにも、警察は警官の多様性を高めたいと思っているが、現在警官のうち外国にルーツを持つ人は全体の6.5%。ちょっと数字のとり方は違うが、例えばスウェーデンの住民の約2割は外国生まれの人で、また約1割程は私のようにスウェーデン以外の国籍を持つ人であり、実際の社会の構成と警察官のそれでは大きな隔たりがある。

これまで警官養成学校に入学するには、それまでの学校の成績に加えて、入学テストに合格する必要があった。成績による一次選考の後では外国ルーツの人は全体の2割いたが、その後の論理性や性格的特徴など問う二次選考の後では、外国ルーツの人の半分は不合格となってしまう。一方スウェーデンルーツ人の間では不合格となるのは4分の1だけだった。

なぜ外国ルーツの人に不合格者が多いのか、その原因について分析はされていないが、ニュースでは、警官に求められる必要条件を落とすことはやってはいけないが、入学選考内容の見直しが必要ではないか、とも示唆されている。

ふむ、これから来年の選挙に向けて、好むと好まざるに関わらず、また社会にポジティブ、ネガティブな影響を与えるか否かに関わらず、多くのことが「移民とスウェーデン人」という文脈で語られることが増えていくのだろうか? 

外国ルーツの人は警察官養成試験の合格が難しい(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023