これまでも選挙でどの党に投票するか、また一般的な世論調査でもどの党を支持するかで男女差はあったが、スウェーデン中央統計庁の調査ではその差が年々大きくなってきていることがわかる。
その差は極右政党のスウェーデン民主党で一番顕著で、2018年の国政選挙では、この党に投票した男性は女性の約2倍。中道右派の穏健党でも、以前より高かった男性からの支持に偏重する傾向に拍車がかかってきている。
一方、女性側からの支持が多いのは左党、環境党、キリスト教民主党。左党では以前は男性からの支持が高かった状態からすっかり様変わりした。これまでは男女間であまり差がなかった社会民主党でも、支持する人の中で女性が過半数を越し、その傾向はこれからも強まるかもしれない。
ヨーテボリの政治学者ヤコブ・アルボムは、これは世界的に読み取とることのできる傾向で、女性の政治への関心の高まりがその背景にあると解説する。女性はこれまでも社会福祉政策に重きをおく政党を好む傾向があった。仮にもしも女性だけが投票、男性だけが投票するとすれば、どのような政権ができるのか、その結果はまったく違ったものになる。
男女間の差を煽るような行為はよくないのかもしれないが、投票率や得票率を上げるための戦術としては、どのように男性の、また女性の有権者に語りかけていくのかを、各政党はもっともっと考えたほうがよさそうである。