swelog ニュースで語るスウェーデン

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政治家は短期集中で 経済担当大臣の場合

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まだ50歳にもならないが、20年に渡り政権内の核となるポジションで仕事をしてきた現経済担当大臣のイブラヒム・バイランが、近く大臣職を辞任し政界からも身を引くことを発表した。

日本でいうと内閣の中では若手の(とはいってもバイランより10歳近く年は上だが)西村経済財政政策担当大臣が、次の選挙では出馬せず、政界から離れて違うことがしたいと発表したくらいのインパクトだ。

バイランは、毎年夏休みに自分が置かれている今の状況やこれから何をしたいのかをゆっくり考えるが、今年は政治以外のことをやってみたいとはっきり自覚した、と朝のニュース番組でインタビューに答えていた。

4人の異なる社会民主党の党首と仕事をしてきたバイランは、目立つカリスマ的なリーダータイプではないが、議会で意見が大きく対立するような問題においても、その調整力や交渉力を高くかわれてきた人で、一次は「調整担当大臣」という肩書で仕事をしていたこともある。

目下、政権支持側の環境党と中央党の間で森林の所有権問題において意見が大きく対立しているので、この問題においての調整役や、またセメント産業における混み合った問題においても活躍が期待されていたが、難問につぐ難問を解決し続けてきた彼は、正直ほとほと疲れたのだろうと思う。

スウェーデンでは、権力の中核にいる政治家が(多くは夏休み後に?)政界を離れることがよくある。

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なかなか世代交代が進まない日本の政治を担当する閣僚や議員の方にも、少し長めの夏休みをとっていただくと、そろそろ後進に道を譲ろうか、という気になったりしないものだろうか?

イブラヒム・バイランが辞任 政界からも離れる(SVT)

解説・どうして今辞任するのか?(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023