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危険でも、混乱しても、大金がかかっても、やらねばならぬユダヤ人差別と戦う国際会議

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今日、10月13日は「ホロコーストの記憶と反ユダヤ主義への闘いのためのマルメ国際フォーラム」が開催される日だ。

スウェーデンのステファン・ロベーン首相が主催し、スウェーデン政府が約50カ国から国家元首や研究者を招いて開催されるこのフォーラムへは、イスラエルのヘルツォーク大統領や、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長、ユネスコのアズレ事務局長などがやってくる。

スウェーデン最南端の都市マルメは、ホロコーストの恐怖から逃げることのできたユダヤ人たちがたどり着いた街であり、今も多くの人種、様々な形でやってきた多くの移民が暮らす街である。本来なら終戦75周年を記念して昨年の開催が予定されていたこの会議は、コロナ禍により今日行われることになった。

フォーラムはホロコーストの記憶をどう守り、どう教えていくか、そして暮らしの隅々にあるユダヤ人差別や他の様々な人種差別にどう対抗していくかという具体案が各代表から発表され話し合われる他、特にオンラインでのユダヤ人差別対策に力をいれていることからFacebook、Twitter, GoodleとTiktokもこの会議に招待されている。

この会議をこの参加者で開催するための警備は、とても地元のマルメの警察やスウェーデンの警察だけではまかなえるものではなく、スウェーデン軍を始めノルウェーやデンマークの治安部隊も警備に参加している。スウェーデン軍は特に空からの警備を担当することになる。

マルメの街は今、広範囲で立ち入り禁止になったり、警官がそこら中にいるという状態になっているはずである。今、地方公共交通のSkånetrafikenのアプリを確認したら、マルメでは今朝はバスの運行を警察の要請により数時間取りやめる、とメッセージが入っていた。通行止めなどは月曜日くらいから始まっていたようだけど、今日はマルメに住む人は移動が困難な状態だと思う。

この国際フォーラムは開催しないことを選ぶと、これだけの警備も危険も、またそれによる社会の混乱も、そしてこれをスウェーデンの税金を使ってやることもないわけだけど、でもスウェーデンはそれをあえてすることを選んだのだ。様々な脅迫とか脅しとかも死ぬほど来てそうだけど、でもこの会議は開催されなくてはいけないのだ。

どうか今日一日、無事フォーラムが開催されますように。

マルメのホロコースト会議には大掛かりな警備配置で(SVT)

なぜマルメでホロコースト会議が開催されるのか?(SVT)

ホロコースト会議に批判「コストは私たちの税金で支払われている」(TV4)

© Hiromi Blomberg 2021