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テロの危険とノーベル賞授賞式

今年のノーベル賞授賞式(12月10日)は、スウェーデンを巡る世界情勢が悪化し、テロの脅威レベルが引き上げられている中で行われる。11月には各種イベントでバッグの持ち込み禁止令も出された。

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授賞式の会場となるコンサートホールと、バンケット会場のストックホルム市庁舎には監視カメラが設置される予定で、警察は警備の詳細を明らかにしていないが、2つの会場周辺には多くの警察官が配置され、周辺は封鎖される。またストックホルム上空は飛行禁止となり、市庁舎周辺のボートの運行も禁止されるようだ。

晩餐会は、通常のコンサートなどとは違って、ノーベル財団が主催する私的な集まりということで、受賞者を含む招待客のバッグの持ち込みは許可されるということが、警察の警備担当者はあらゆる状況にも対応できるよう、かなりのリソースを投入する、と話している。

テロの脅威の中開催されたイベントと言えば、ストックホルムのプライドや、2021年にマルメで開催されたユダヤ人差別と戦う国際会議のことを思い出す。

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テロの脅威にひるまない態度は、危険と表裏一体だけど、それでもやるという覚悟をいつもありありと感じる。マルメの会議の時にはこんなこと書いてたな。

この国際フォーラムは開催しないことを選ぶと、これだけの警備も危険も、またそれによる社会の混乱も、そしてこれをスウェーデンの税金を使ってやることもないわけだけど、でもスウェーデンはそれをあえてすることを選んだのだ。様々な脅迫とか脅しとかも死ぬほど来てそうだけど、でもこの会議は開催されなくてはいけないのだ。

このプライド・パレードもマルメの会議も、結局は無事に開催された。どうかノーベル賞授賞式でも何事も起こりませんように。

ノーベル賞授賞式での警備強化について・監視カメラ、飛行禁止、警察官増員(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023