パーソナルナンバー制度などを通じて、スウェーデンの行政機関は住民ひとりひとりに関する多くの個人情報を保持、管理している。しかし、これまでは異なる行政当局の間ではその情報を共有することは難しかった。これはもちろん、個人のプライバシー情報保持への配慮からである。
今、不法移民対策を名目として、その秘密保持に関する取り決めの変更が議論されており、中道右派の穏健党を中心とする野党連合はまもなく具体的な8つほどの変更案を国会に提出する予定だ。これには与党の社会民主党の移民担当のイーゲマン大臣も大枠で賛意を示している。
8つ提案の中には、秘密保護法の主なルールを変更し関係各局が常に情報を共有できるようにするというものの他にも、自治体は滞在許可証のない人の存在を知った場合には原則として移民局と警察に通報する義務が生じるといったものや、また、自治体が不滞在者へ補助金を出すことを禁じるものなどがある。
今回の案には、与党側も賛成していることから提出されると大枠でそのまま決まりそうだが、今回の法改定の背景として、不法移民対策があげられていても変更が適応されると、各行政はどのような個人に関する情報も共有できることになる。
多くの情報を握る権力側を信頼できるのなら、こんな変更もあまり問題ないのだろうけど、さて、今年の9月に予定されてい国政一選挙以降は、どんな政権になるのやら?
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