swelog ニュースで語るスウェーデン

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叫び、怒鳴る人たち

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それなりに長く生きているが、これまでにこんなにも怒鳴っている人を近くでみたことはなかったように思う。

土曜日にルンドのお花屋さんの前で花を選んでいたら、向かいのパン屋さんの入り口のあたりで、1人の女性がありったけの怒りと力で、何かにむけて怒鳴り始めた。彼女の前にもうひとりの人がいたのかどうか、それすらも私の方からはわからないまま、怒りの渦をその場に残して、その人は罵りながら違う方向に歩き始めた。

そして同じ日の午後、私はそこで買ったお花を持ってちょっとした高台にある義母の家に向かい、みんなとイースターのランチを食べていたら、リビングから見渡すことのできる100メートル程離れた道から、男の人が大きな声で叫んでいるのが聞こえてきた。

声は路肩にとめられた車からやってきていて、運転席に座った男の人がハンドルに頭を何度も何度もぶちつけながら、何かを大きな声で叫んでいる。車にはその人ひとりしかいないようで、車の窓は空いていた。何が起こるのかと息を詰めて眺めていると2、3分も叫び続けただろうか? その後、その車はするすると発進してどこかにむかい、郊外の静かな住宅地は、また鳥の声しか聞こえないようなのどかさに戻った。

「戦争のトラウマとか、今の戦争に関係している人とか、いろんな人がいるからね」と一緒にいた家族はみんな、大人なものの見方をしていたのだけど、こんな近くでここまでの怒りや悲痛の伴った感情を力の限り爆発させている人を、一日に2回も目撃した私は落ち着かなかった。

そしてニュース番組に目をやれば、この週末はスウェーデン各地で起きた暴動で、警察の車が燃え上がったり、人々が警察に向かって石を投げたりしている映像でいっぱいだ。

これは、デンマークの極右政党Stram Kursがスウェーデンにやってきて、各地でコーランを焼くなど過激な集会やデモを行っていることに対抗して暴動が起こったもの。

リンショッピング、ノールショッピング、ストックホルム、オレブロ、マルメなど多くの都市でで、パトカーや警察の移動車両などに火がつけられ、投石により警官が負傷している。マルメでは、私たちがいつも乗っているグリーンの市バスが燃やされた。昨日のノールショッピングでの暴動では発砲もあり、3人が銃により負傷している。

今日の月曜日もスウェーデンはイースターの休みだが、いつもののんびりした穏やかな一日となるのか、その一日はどこかで怒りや叫び声で破られることになるのか、なにが起きても不思議ではないのかもしれない。

2005年にボスニア・ヘルツェゴヴィナの国立公園近くのペンションに泊まった時に、宿の人が「このすぐ前の傾斜した草原でも撃ち合いがあったんですよ。パンパン、パンパンって乾いた銃撃音がしてね」と内戦の様子を語ってくれたのを、平和としか表現できないようなのどかな風景を眺めがら聞いたことを、最近はよく思い出す。

複数の街で暴動が発生・詳細情報(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022