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Hövding、頑張れ!

ショック。

私の愛用している自転車用エアーバッグ、Hövdingに暗雲立ち込める。

世界で最も安全な自転車用ヘルメットとして発売されているHövdingだが、今回ドイツの国家検査機関BaSTが行ったテストでは、40Kmの速さで走行する自転車と衝突した場合、エアーバッグが開く十分な時間が確保できず、自動車のボンネットに頭をぶつけてしまうことが指摘され、これまでHövdingの使用を推奨していた保険会社のFolksamがその推奨を取り消した。

スウェーデンで実施されている自転車用ヘルメットのテストは、自転車が時速20キロ弱で走行中に衝突した場合という設定で、Hövdingはこのテストには合格し、CEマーク(製品がEU の法律に適合した証としてつける基準適合マーク)を獲得している。Hövdingは衝突が起こってから80ミリ秒後に反応し、エアーバックが頭を完全に覆うのは100ミリ秒後。高速の自動車と衝突した場合、間に合わないというのがドイツのBaSTの見解だ。

このテスト結果によりHövdingの推奨を取り消したFolksamによると、スウェーデンでは毎年15名が自転車走行中の事故で亡くなっており、負傷者は1000名以上でそのうちの2割が重傷者。またFolksamの最新の調査では、ストックホルムでは自転車に乗る人の10人に1人がHövdingを使用しているそうだ。これまでに世界で合計43万5000個のHövdingが売れた。

Folksamからの発表に関して、HövdingのCEOは「他の5つの独立した試験機関がHövdingは安全であると保証しており、また通常のヘルメットでも高速でぶつかった場合、きちんと機能しないことも示されている。頭にヘルメットが乗っかっているだけでは十分ではなく、脳にどれくらいのGフォースがかかるかもみなければ、はっきりとしたことは言えない」とSVTの取材で反論している。

Folksamは、重傷者の約5名に1名が自動車との衝突事故であることから、ヘルメットの安全性テストの基準を見直すことが必要だと話している。より強い衝撃のもとで、テストは行われるべきだと考えているという。私の場合、基本的に毎日の通チャリでは緑地の中の自転車専用路を通って自動車とはほとんど交わらないので特に問題はなさそうだけど。

暖かくなってみんなの首元がすっきりしてHövdingの装着が目立つようになったので、ここ何週間か気まぐれに、対抗して走ってくるサイクリストの間でのHövding装着率をざっくり数えいていたのだが、うちの近所では日時によっては5人に1人くらいの着用率のこともあった。

Hövdingは通常のヘルメットと比べるとかなり高いので(今セール価格でも3000クローナ(約4万円)くらい)、頭を守るという機能に加えて、これは「私はこういうライフスタイルを選んでいます」という世の中に対する宣言のようなものだと考えていた。Hövdingが高いとはいっても、車を買うことと比べればその差は甚大で、車を持たない私にとっては許容できる範囲の出費だった。

Hövdingの、歯ブラシやさんによる買収騒ぎもまだ決着を見せていない。買収が始まった後で、株主である私のもとには現在の経営陣から「私たちの将来を信じるなら売らないでほしい」というお手紙が届いたので、売らないまま放っておいたら、ほとんどの人は売ってしまったようで😅、残ってしまった超少数の現在の経営陣を含む株主と歯ブラシやさんとの間で法的調整が起こりそうな状態になっている。

歯ブラシやさんは今、Hövdingの株を90%以上持っていて株式市場からの撤退を計画しているので、残ってしまった私たちは売らなくてはいけないような流れになっているのだが、今回のニュースでまたこの買収騒ぎにも新たな展開が起こるのだろうか。

Hövding頑張れ!

テストで、Hövdingは自動車との衝突事故では保護しないことがわかる(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022