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雇用主が従業員に通勤用電動アシスト自転車を提供

こちらは、夏休み前にみかけたニュースなのだけれど、書き忘れたりしないうちに書いておこう。今朝もエルドアンの新たなお小言とか、大バーゲンセール中のスウェーデン・クローナとか、とりあげようかと思うようなニュースがいくらでもでてくるし。

スウェーデン中部にある中堅都市ボロース市は、福利厚生の一環として市の職員に電動アシスト自転車を提供している。車での通勤を減らすためだ。以前からスウェーデンでは会社が車を購入したりリースしたりした車を、従業員が通勤やプライベートでも使うことができるという福利厚生制度があったが、これはその制度を電動アシスト自転車に適応したもの。

インタビューに答えていた市の職員のヨハンナさんは、2016年から導入されたこの制度のことは知っていたが、実際に利用を開始したのは去年の5月。郊外に住んでいるので自転車での通勤ルートは湖畔や森の間を抜ける素晴らしいルートで合計7キロ。健康面や自然を身近に感じる体験、また気候温暖化のためによいことをしている点もポイントが高いが、ガソリン代や駐車場代の大きな節約にもなり、彼女の場合は電動自転車で移動したほうが通勤時間も実は短くなる。

ヨハンナさんは去年の自転車通勤は季節のよい10月までだけで冬場はまた自動車に戻ったが、ボロース市ではそんなヨハンナさんのような人たちのために、冬用のスタッドタイヤの提供なども行う。

ボロース市は比較的小さな街なので、調査によれば、人口の約半数が30分以内、また3分の1以上の人は15分あれば自転車で職場まで通える場所に住んでいる。とは言え、今はまだ自治体内での全移動に占める自転車移動は5%程度でしかない。市で自転車通勤のイニシアチブを進める担当者は「大きな可能性がある」と言う(おお、なんというポジティブシンキング)

毎朝毎夕2キロくらいの距離をせっせと自転車で通勤していると、最近は後ろからスイーっと電動アシスト自転車に追い越されることがよくあり、ちょっとイラッとしていた(のは私だけではなくて、この間のフィーカの時に多くの人が口にしていた!)が、これからは、ああ、この人たちはもしかしたら10キロ、15キロの距離を自転車で通っているのかもしれない、素晴らしい!と思うことにすると、私の表情もますます柔和になるのかな。

雇用主が従業員に電動アシスト自転車を支給「坂道での後押し」(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023