一瞬、このニュース冗談? フェイク?と思ったのが、この薪の話。冬がやってくるのはこれからだというのに、今年はもう薪が売り切れてしまったのだという。理由として考えられているのは、高騰する電気料金への対抗策として暖炉で薪を燃やす需要が高まっているというもの。
そう言われれば、確かに、うちのコロニ(家庭菜園)にある露天風呂は白樺の薪を使うことになっていて、この週末秋の露天風呂シーズン(!)を前にして、夫が薪を大量購入をしようとしたところルンドではどこも売っておらず、隣街のマルメまで行ってやっと購入できたと話していた。
今年の分をすっかり売り切ってしまった薪メーカー(?)は、今は来年分の薪の予約を受け付けているそう。例年なら、薪の在庫は冬の最盛期を過ぎても余裕があり春先くらいまでもつのに、去年は12月に入ったあたりでなくなり、そして今年は最後の受注となったのは、8月5日だった。
この薪の品切れ状態を反映して、フリマサイトのBlocketでも「薪」という言葉での検索が8月の最初の2週間で、前年比71%増となっている。みんな探しているが、もう市場にはあまり出回ってはいない。
スウェーデンで暖炉用に使われる薪は、毎年伐採される木材のうちの5%で500万立方メートル(といわれてもどれくらいの量なのか、よくわからないが😅)。足りなくなったからといって木材はいくらでも伐採できるものでもないし、よく燃える薪をつくるためには夏場に十分乾かすことが必要となる。今年の夏は終わってしまった。
森林事情に詳しいDanske Bankの専門家は、薪不足は冬の暖炉の前の心地よい時間がなくなるという影響だけでなく、電力暖房の補助に使っていた人はさらに電気代が高くなることを意味するし、その先には電気の需要供給バランスが更に崩れる可能性があると指摘する。
言われてみれば当たり前のことだけど、なぜだか薪は心地よさの演出のためにだけ使われているような気がしていた。暖炉はもちろん暖をとるために存在するのでした。ということで、この秋の合言葉は「薪をみたら、とりあえず買っておけ!」だな!