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「投票してもなにも変わらない」

スウェーデンでの選挙の投票率は過去4回上昇していたが、今回の選挙では全体の投票率は84.1%にとどまり、前回の87.2%から低下した。大都市郊外の選挙区では投票率が35%〜40%のところもあったし、また社会経済的に困難が多いとされている地区での投票率が低下したのが目立った。

皮肉な結果だが地区での投票率をあげようと、自治体、市民団体、そして政党がかなりのリソースを投入して投票率を上げるための運動を展開したところで投票率が下がった。これまでも投票率の低かったボートシュルカでは、自治体に登録されているすべての人に「投票しよう!」とい呼びかけるテキストメッセージを3回も送ったが、効果はみられなかった。

地区での投票率をあげようと活動していた”Changers Hub"の役員は、今回の選挙では郊外の貧困層や移民の問題を解決しなければならないと議論されていたが、その人たちの日常的な問題、すなわち学校、医療、仕事が議論されることはなかった。生活が悪くなる一方の人たちに向けてもその人達には関心のない議論が続き、これで投票しろというのは無理だ、と役員は説明する。投票日の3日前にやってきてビラを配るようなやり方では何もかわらないという。

スウェーデン政府は昨年、今回の選挙での投票率を上げるために5000万クローナ(約6億8500万円)の追加予算を計上して、MUCF(スウェーデン青少年市民社会庁)による学校での模擬選挙実施の活動や、その他の団体にも投票率を上げるためのキャンペーンを行ったが金額に見合うような効果はなかった。

移民たちの中にはスウェーデンでの選挙の仕組みを理解しておらず、スウェーデン国籍をもっていなくても自治体の選挙には参加できることを知らない人もいる。今回の投票率の低さ(とはいっても84%だが)は民主主義を大切にするこの国の、さまざまな人、機関にはおそらく衝撃的で、これから多くの議論が始まるに違いない。

(今日の写真は一週間前の先週の土曜日、投票日の前日に撮影したものです)

ここでは投票したのは10人に4人だけ「何も変わらない」(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2022