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フィンランドのNATO加盟批准手続きとスウェーデンの最悪のシナリオ

トルコはフィンランドのNATO加盟申請を批准する手続きを始めると発表したが、スウェーデンはテロ対策の分野で必要な措置をとっていないとして、スウェーデンの申請には応じないとした。スウェーデンのNATO申請が数ヶ月から最大で1年ほど遅れることになれば、スウェーデンは安全保障・防衛政策の大部分を見直す必要があるだろうとの見方が強まっている。

スウェーデン防衛大学のシェル・エンゲルブレクト教授は、加盟までに時間がかかれば現在のフィンランドとの防衛面での協力体制の多くを見直す必要があり、これまでフィンランドと共同で行っていた軍事演習を同じ形で続けることがほとんど不可能になると説明する。

トルコのエルドアン大統領は昨日の記者会見でも、スウェーデンはトルコが「テロリスト」指定している124名の引き渡しを行っていないし、このテロリストたちはストックホルムの街頭でデモ活動を行っていると批判を繰り返した。

エンゲルブレクト教授は、スウェーデンの法制度がこれらの人物に容疑をかけることができるようになるには、トルコがテロ容疑を立証するために資料をもっと提出する必要があると考えている。トルコがいう「テロリスト」のなかには、トルコ政権に批判的なジャーナリストたちもいて、スウェーデンの法律の元では、現状ではエルドアン大統領の要求に従うことはほとんど不可能だ。

少し振り返ると、スウェーデンは当初はNATO加盟に消極的で、検討を開始し国会で可決された時も、その重要な要因となったのは、スウェーデンはフィンランドと足並みを揃えるべきだという点だった。フィンランドだけが加盟すれば、スウェーデンの安全保障に悪影響を及ぼす恐れがあると判断されたからだ。スウェーデン政府は、来る7月初旬のNATO首脳国会議に先立ち、6月中にトルコがスウェーデンにもゴーサインを出すことを期待している。ここで決まらないと、加盟のタイミングは晩秋から来年までずれ込む可能性がある。

NATOの主要加盟国はスウェーデンが攻撃された場合の支援を口約束しているが、それが本当に守られるかの保証はなく、同時にロシアがNATOの枠組みの外にある、スウェーデンに様々な形の妨害工作を行い、混乱させようとする可能性は高まるだろうと考えられている。

スウェーデンが軍事攻撃されるなどの極端な事態にはならないだろうけど、これまでも起こっているようにネットワークが攻撃されて、支払いやウェブサービスが混乱するといったような事態はもっと頻繁に起こるのかもしれない。まぁ、こんなことが起こるなんて思ってもみなかったというようなことがずっと起こり続けているので、この先なにが起こるかは本当にわからないんだけど。

専門家「スウェーデンは防衛政策を見直す必要があるかもしれない」(SVT)

解説「スウェーデンにとって最悪のシナリオ」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023